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「認知科学」特集(第29巻第1号・2022年3月号)論文募集のお知らせ

特集タイトル認知科学から見た深層学習の地平線
掲載予定巻号2022年3月号(Vol. 29 No.1)
担当編集者浅川伸一(東京女子大学),緑川 晶 (中央大学),高村 真広(広島大学)

企画趣旨

 認知科学,及び,関連する諸分野を深層学習モデルで結びつける意欲的な試みを広く募集する。本特集の企画意図は,これまで多く行われてきた深層学習モデルを用いて種々の認知機能を説明する従来型の提案を募ることのみではない。むしろ逆方向,すなわち認知科学から深層学習を含むAI研究への示唆や提言引き出し,知性をめぐる関連諸分野の相互交流を図ることも大きな目的である。ここでは深層学習モデルを用いて,人間を含む知性の解明を意図した研究を,人工知能(Aartificial Intelligence:AI)から自然知能(Natural Intelligence:NI)の意味でA2Nと表記し,反対に,自然知能(NI)の解明による深層学習モデルの機能,性能向上を意図した研究をN2Aと表記する。本特集の意図は素朴なA2N研究のみならず,NIに関心を持つ研究者からの貢献が期待されるN2Aを含んだ研究を広く募ることである。A2Nとは,限定された状況や課題条件下では人間を凌駕する課題成績を示すようになって久しい深層学習モデルを認知モデルとして扱う研究を指す。例えば,機能的脳画像,賦活データとの対応や等価性を議論する研究(Cadieu et al., 2014; Mitchell et al., 2008; Yamins & DiCarlo, 2016)においても,近年の拡散テンソル画像トラクトグラフィなどに見られる画像化技術の進歩に伴い(Moeller et al., 2020),そうした発展は医学研究への応用にも向けられている(Vieira, Pinaya, &Mechellia, 2017)。一方,N2AとはAI研究に対する認知研究からの貢献である。一例を挙げればHassabisらは,これまで,現在,そして,これから,という観点から,「神経科学にインスパイアされた人工知能」として以下の項目を挙げ,神経科学がAIを加速させる可能性を論じた(これまで:深層学習,強化学習,現在:注意,エピソード記憶,作業記憶,継続学習(内容的にはマルチタスク学習,転移学習,これから:物理世界の直感的理解,効率的学習,内容的には,一撃学習,ゼロショット学習,想像と計画,仮想的な脳活動解析)(Hassabis, Kumaran, Summerfield, &Botvinick, 2017)。Hassabisらの示唆は神経科学からAIについて論じている,人間の知的活動を扱う認知科学,認知心理学,認知神経心理学,などの諸分野からAIについても同じようなことが言えると考える。これら項目に加えて,認知研究と人工知能とのこれまでの経緯を踏まえた展望,さらに,神経心理学,精神医学(Dayan&Abbott, 2001; Friston, Stephan, Montague, &Dolan, 2014)や,芸術,美学(https://deepart.io/latest/)においても同様の相互交流に貢献する研究も歓迎する(Zhu, Park, Isola, & Efros, 2017)。

特集で扱う論文

 日本語または英語で書かれた研究論文,展望論文,短報論文,あるいは資料論文を募集する。新規な研究成果を含む実験,理論,シミュレーション,応用,あるいは症例報告究など,認知科学に貢献しうる研究を対象とする。認知科学に貢献するものだけでなく,関連書領域への示唆,挑戦的な試みを歓迎する。

応募資格

 認知科学の研究者であれば誰でも投稿できる(詳しくは「認知科学」の投稿規程を参照)。本特集では,プロポーザル方式で原稿を募集する。執筆を希望する場合は,プロポーザル投稿をすませた上,期日までに論文原稿を送付する必要がある。プロポーザル投稿は,2021年4月3日(土)までに,論文タイトル,論文種別(研究論文,展望論文,短報論文,あるいは資料論文),著者氏名・所属・連絡先(住所,電話番号,e-mailアドレス),1000字程度のアブストラクト,キーワード(5 個程度)を電子メールにて提出する.投稿する論文は,「認知科学」の投稿規程と執筆要領にしたがうものとする。

提出先

プロポーザル投稿は以下のアドレスに提出するものとする。
jcss2021.deeplearning[at]gmail.com [at]を@に置き換えること

スケジュール

1. 2021年04月03日(土) プロポーザル投稿締め切り
2. 2021年04月30日(金) プロポーザル採択通知 の執筆依頼
3. 2021年07月04日(日) 初稿投稿締め切り
4. 2021年08月中旬頃 第一回査読結果返送
5. 2021年11月上旬頃 第二回査読結果返送
6. 2021年12月05日(金) 最終稿締め切り
7. 2022年03月初旬29巻1号発行

文献

Cadieu, C. F., Hong, H., Yamins, D. L. K., Pinto, N., Ardila, D., Solomon, E. A., Majaj, N. J., & DiCarlo, J. J. (2014). Deep neural networks rival the representation of primate IT cortex for core visual object recognition. PLoS Computational Biology, 10, 1-18.
Dayan, P., & Abbott, L. F. (2001). Theoretical neuroscience. Cambridge, MA: MIT press.
Friston, K. J., Stephan, K. E., Montague, R., & Dolan, R. J. (2014). Computational psychiatry: the brain as a phantastic organ. The Lancet Psychiatry, 1, 148—158.
Hassabis, D., Kumaran, D., Summerfield, C., & Botvinick, M. (2017). Neuroscience-inspired artificial intelligence. Neuron, 95, 245-258.
Mitchell, T. M., Shinkareva, S. V., Carlson, A., Chang, K.-M., Malave, V. L., Mason, R. A., & Just, M. A. (2008). Predicting human brain activity associated with the meanings of nouns. Science, 320, 1191-1195.
Moeller, S., Kumar, P. P., Andersson, J., Akcakaya, M., Harel, N., Ma, R. E., Wu, X., Yacoub, E., Lenglet, C., & Ugurbil, K. (2020). Diffusion imaging in the post hcp era. International Society for Magnetic Resonance in Medicine, 1-22.
Vieira, S., Pinaya, W. H., & Mechellia, A. (2017). Using deep learning to investigate the neuroimaging correlates of psychiatric and neurological disorders: Methods and applications. Neuroscience and Biobehavioral Reviews, 74,58-75.
Yamins, D. L. K., & DiCarlo, J. J. (2016). Using goal-driven deep learning models to understand sensory cortex. Nature Neuroscience, 19, 356-365.
Zhu, J.-Y., Park, T., Isola, P., & Efros, A. A. (2017). Unpaired image-to-image translation using cycle-consistent adversarial networks. arXiv:1703.10593, [cs.CV].