日程 9月14日(日) 15:20 - 17:20
オーガナイズドセッション (OS3-2)
会場:14号館5F(501)
「仕上げる」を捉える認知科学:演奏における人と人・人と環境の関わり合いから
オーガナイザー:
板垣寧々(早稲田大学・日本学術振興会)
松尾綾子(早稲田大学)
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OS3-2-1招待講演本稿では,弦楽二重奏に着目して「練習時間に構築された奏者の関係性」と「本番演奏の合わせ方や演奏音に表れる奏者の関係性」がどのように対応するか検討した著者らの研究(板垣他, 2025)から,練習時間に関する検討部分を概観する.上記をふまえ,合奏を「仕上げる」過程における人と人との関係調整について考察するとともに,人が自分自身の課題達成に向き合うプロセスに関する展望も合わせ,認知科学への貢献可能性を示す.
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OS3-2-2招待講演先行研究では,声楽者の曲仕上げ過程を3段階に分類し,段階ごとに求められる音場条件が異なることを示した。本稿では,後半の仕上げ段階の練習に着目し,演奏者がステージ音場で演奏し客席音場で聴取する手法の効果を検討した。その結果,子音や歌詞の明瞭性,響きの融合,伝達力の向上に寄与し,ホール音場シミュレータは演奏表現の最終調整に有効であることが示された。さらに,演奏表現の調整には,認知・行動プロセスの選択的な制御が行われることも確認された。
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OS3-2-3総合討論パネルディスカッションパネルディスカッションでは、本OSでの話題提供に基づき、パネリスト、講演者、そしてフロアのオーディエンスを交えて、OSの設定するテーマに関して、実践場面での経験も交えながら議論を行う予定である。