日程 9月13日(土) 14:15 - 15:15

フェロー講演 (F1)

会場:国際会議場1F井深大記念ホール
情報化・AI時代の人の知能研究
講演者:
植田一博(東京大学)
司会:
嶋田総太郎(明治大学)
要旨:現代は,LLMsに限らず多くのAIが社会に浸透しており,AIなしでの生活は考えにくい状況です。一方で,AIに対する批判的見解をしばしば耳にします。しかし,今日のAI(や数理統計手法)のお陰で,ようやくまともな知能研究が行えるようになったというのが講演者の感想です。講演者がこれまで行ってきた,AIや数理統計手法に基づく計算論的認知モデリング研究を整理し,人の知能とAIとの違いを解明する,人の高次認知の分析にAIを活かすという観点から,認知科学とAIの協働の可能性を探りたいと思います。
生きている認知過程をとらえるために: 人工物研究,加齢研究,目標・知識の集積体としての文化・社会
講演者:
原田悦子(筑波大学/イデアラボ)
司会:
嶋田総太郎(明治大学)
認知科学設立当初,それまでの伝統的実験心理学と大きく異なる魅力であったのが,「実際の人が実際に生きて活動をしている時の認知過程に直接的にアプローチを試みる」研究の在り方だった.認知科学はそのための方法論の広がりに寛容であり,そうした中,実環境に実験的操作を加えるための人工物研究,認知過程の比較としての加齢研究を基に様々に認知的現象を観察してきた.そこで明らかとなった,人の認知における目標の重要性と知識の果たす役割の複雑さから,それらの集積体としての文化・社会について改めて考えてみたい.