日程 9月10日(土) 9:30 - 11:30

オーガナイズドセッション11 (OS11)

教育の世界に知識を取り戻す~単元マップを媒介に~
オーガナイザー:
白水始(国立教育政策研究所)
益川弘如(聖心女子大学)
  • OS11-1
    招待講演
    白水 始 (国立教育政策研究所)
    認知科学における知識研究の蓄積に関わらず,学校教育での「知識」の位置は低く,資質・能力重視の流れに押されて一層軽視されつつある.本OSでは,初等中等教育における教科知識の構造を可視化するシステム「単元マップ」を題材に,学校教育における中長期的な概念的知識形成支援の実践研究を紹介し,多様な立場からのコメントを得て,認知科学の貢献可能性を模索する.
  • OS11-2
    招待講演
    安斎 利洋 (システムアーティスト)
    教科の単元は,複数のカテゴリーの重なりの中にある.たとえば社会科のある単元は,ある地域,ある時代,上位の単元,他教科のある単元に関連づいている.単元マップは,現場で設計された教材の視点から,教科の込み入った知識構造を発見的に見渡し可視化する環境である.その設計思想を紹介する.
  • OS11-3
    招待講演
    飯窪 真也 (教育環境デザイン研究所)
    齊藤 萌木 (共立女子大学)
    学校現場では1時間の授業の位置づけや意味を一連の学習の流れで捉え直す授業研究が希求されている.本研究は,小学4年生の算数授業を小中7教員で単元マップも用いて協働吟味する演習を行った.この事例研究により,教員は本授業における作図問題の意義を加法・減法の習熟から数量関係の概念的理解への中途段階と捉え直す成果が得られた.今後はこの成果の複合的な成功要因を同定し,教員の長期的な学習デザインのより安定した支援手段を検討する必要がある.
  • OS11-4
    「教育の世界に知識を取り戻す~単元マップを媒介に~」の発表を受けてのコメント
    石井 英真 (京都大学)
    平嶋 宗 (広島大学)
    清河 幸子 (東京大学)
    弟子丸 知樹 (文部科学省)
    各分野のエキスパート-教育学から石井英真氏,情報学から平嶋宗氏,認知科学から清河幸子氏,教育行政から弟子丸知樹氏-のコメントを得て,フロアとディスカッションを行うこととする.