日程 9月10日(土) 9:30 - 11:30

オーガナイズドセッション08 (OS08)

プロジェクションの社会的展開
オーガナイザー:
米田英嗣(青山学院大学)
鈴木宏昭(青山学院大学)
  • OS08-1
    不定な文章理解研究に向けて
    招待講演
    布山 美慕 (立命館大学文学部)
    現実世界の物理的身体が時間的・空間的に定まったただ一つの状態を取る一方で,意味理解は多義的で不定な状態を取りうる.たとえば,文学作品や絵画などの芸術では,複数の解釈が併存し一つに定まらないからこその美的体験の可能性が理論的・実証的に示唆されてきた.本発表では,量子確率論を用いることで,多義ならでは・不定ならではの認知状態を表し,その効果を検証する研究構想について議論する.一部予備的な結果についても発表を予定する.
  • OS08-2
    ソーシャルVRの醸成に伴う認知心理学の未来
    招待講演
    小柳 陽光 (東京大学)
    近年,アバタを身に纏い,ネットワークを通じて他者と同一のVR空間上で交流することを可能にするソーシャルVRが流行している.アバタによる自己認識の変化,および、VR空間でのコミュニケーションは,現実世界では不可能であった現象を疑似的に実現するとして,ソーシャルVRは認知心理学に興味深い視座をもたらす.ここでは,ソーシャルVRが認知心理学をどのように拡張するのか,そして研究の場とするうえでどのような課題があるのかを議論することを目的とする.
  • OS08-3
    公募発表
    成田 真輝 (明治大学大学院理工学研究科)
    仁藤 晴暉 (明治大学大学院理工学研究科)
    肥後 克己 (明治大学 研究・知財戦略機構)
    嶋田 総太郎 (明治大学)
    本研究では1つのアバターを2人で共有する場合に,もう1人の操作者との目標共有が自己身体認識に与える影響について検討を行った.本実験では4本の腕を持つアバターを用い,一対の腕を被験者が,もう一対の腕を実験者が操作した.実験条件には,もう一対の腕が課題遂行のために動く目標共有条件と,課題遂行と関係のない動きをする非目標共有条件を設けた.アンケートと脳活動計測の結果,目標を共有することでアバターに対する自己感を高められることが示された.