日程 9月10日(土) 13:00 - 15:00

オーガナイズドセッション01 (OS01)

学びに迫る概念の再検討―文化的実践における認知研究の相互理解に向けて
オーガナイザー:
土倉英志(法政大学)
郡司菜津美(国士舘大学)
  • OS01-1
    学びに迫る概念の再検討
    土倉 英志 (法政大学)
    【企画趣旨説明】私たちの周囲で日々起こっている学びに迫ろうとする研究はこれまでに様々な概念を生み出してきた。学びに迫る概念の豊富化は、それまで研究者が学びとみなしてこなかった人びとのいとなみにも学びととらえるべき現象が潜んでいることに注意をうながしてきた。また、学びを支えるできごとや資源を詳細に描き出すことを可能にしてきた。本OSでは学びをとらえる概念の意義を見つめなおすとともに、今後を展望することを目指したい。(DEE分科会企画)
  • OS01-2
    学びに迫る概念として「学びが仮説構成体だ」というあまり語られない教育心理学の大前提について皆で再検討する会
    招待講演
    有元 典文 (横浜国立大学)
    学びって何?ヒューマンネイチャー(人間の本性)だけど、ナチュラルサイエンスの対象だろうか?ヴィゴツキーの心理学批判に遡るまでもなく、学びとは教育心理学およびその支援しているつもりの教育という実践を成り立たせる上での仮説構成体と言って良い。「学び」は、それ無しでは実体化し得ない現象を観察可能にする装置だ。似た装置には運命や才能や縁起がある。違う装置が違う現実を見せる。この装置の使用期限はまだ残っているのか、皆さんと創発的に再検討したい。
  • OS01-3
    公募発表
    菅井 篤 (静岡福祉大学)
    本研究では,学習を誰かからの観察によってつくられる変化(有元,2013)だと捉え,国際バカロレア(IB)教育を捉えなおし,IBへの批判的な検討を試みた.IBを履修する小学生の保護者へ自由記述式の質問紙調査を実施し,日常の実践でのキーコンセプトの活用が,どのように保護者によって観察されているのかを探っていった.これらのことを通して,IBは,日本の教育を改めて評価し改善していくための,ひとつの視点であるという提案がなされた.
  • OS01-4
    公募発表
    田坂 逸朗 (青山学院大学)
    会合のプログラム「ワールドカフェ」において,その特徴である成員の途中組み替え(“席替え”)が,どのように対話過程に影響を与えるのかを分析した.結果,席替えで,前の談話の体験を伝える機会がもたらされ,そのことが主張を後退させ,創発的な応答を増さしめるということがわかった.また,社会実践としてのワールドカフェの検討では,終盤までに「意見共存」の状態がつくられることで,さまざまな目的に合致した成果が得られると考察した.
  • OS01-5
    ディスカッション
    パネルディスカッション
    有元典文氏による招待講演、公募発表をふまえて、テーマについて登壇者全員とフロアの参加者で議論を行なう