キーワード索引

生態心理学

  • sP1-6
    井上拓也 (京都大学人間環境学研究科)
    認知言語学では近年,第三期の認知科学として人間・環境の相互行為の中で意味を捉えるべきであるという主張がなされている [17]。本稿では,言語が情報を伝達するという伝達モデルや,意味の表象主義的モデルを前提とする従来の言語観を棄却し,生態学的実在としてのアフォーダンス理論の意味観を導入することの必要性を論じる。さらに, Normanのデザインやシグニファイアの概念の観点から,言語がシグニファイアとして機能していることを指摘する。
  • sP1-35
    沼口裕太 (慶應義塾大学SFC研究所)
    諏訪正樹 (慶應義塾大学環境情報学部)
    本研究では筆者が自宅での調理におけるマイクロスリップ(以下、MS)を分析した。調理行動は行為のまとまりが階層構造をなしており、行為の接続点におけるMSの出現割合の違いを階層ことに分析した。また放置タスクの始点と終点に着目し、MSの出現のしやすさの違いを分析した。本研究の結果は、「MSがあらかじめプランされている状況ではなく、臨機応変さが強く要請されるような状況で起こりやすい」ということを示唆している。
  • sP2-25
    ヒュース由美 (東京大学学際情報学府)
    工藤和俊 (東京大学情報学環学際情報学府)
    即興演劇は, 事前の相談や決められたセリフがなく, 共演者がどんなアイデアを持ち, 自分に対してどのようなアプローチを仕掛けてくるか全く分からない環境の中で, 即興的に劇を創作する芸術である.本研究では, 実際の即興演劇ライブを撮影したビデオ映像のデータをもとに, セリフと視線行動の関係を分析した結果, 俳優たちは登場人物を演じながら, 劇の重要なポイントで相手のサインを読み取る非言語コミュニケーションを行っていることが明らかになった.