スケジュール順

[OS14] OS14 言語と言語認知の多様性と普遍性を追求する:フィールド心理言語学

9月15日(金) 15:40 - 18:10 会場:101講義室
  • OS14-1I
    依頼講演
    安永大地 (金沢大学 歴史言語文化学系)
    本研究ではカクチケル語の基本語順が動詞-目的語-主語(VOS)なのか主語-動詞-目的語(SVO)なのかという問題に取り組んだ。2つのERP実験を行ったところ、SVO語順がVOS語順よりも処理負荷が大きいという結果が得られた。この結果は、カクチケル語の基本語順がVOSであることを示すものだと解釈できる。また、多様な語順の処理負荷は人間の認知特性に基づくというよりも個別言語の文法の特徴に基づくと考えたほうがよいということを示唆する。
  • OS14-2I
    依頼講演
    金情浩 (京都女子大学)
     カクチケル語の2つの語順の文理解の際の処理負荷を検証するため、カクチケル語の母語話者を対象にfMRIによる検証を行った。その結果、SVO語順とVOS語順の直接比較で下前頭回の賦活が有意に上昇することが分かった。これは、カクチケル・マヤ語の統語的基本語順は、他の多くのマヤ諸語同様にVOSである、ことを示すものでもある。このことから、SO 語順選好は普遍的なものではなく、個別言語の文法が文理解時の処理負荷に大きな影響を与えることが分かった。
  • OS14-3I
    依頼講演
    小野創 (津田塾大学)
    世界の言語の中で類型的に大多数を占めるSO言語(主語が目的語に先行する言語)では、目的語が主語に先行する語順で文が呈示された場合に処理負荷が増えることが観察されている。台湾の先住民族の言語の一つであるタロコ語(オースロトネシア語族)は、SVO語順に加えてVOS語順も可能であり、VOS語順が統語的基本語順とされている。タロコ語のようなOS言語(目的語が主語に先行する言語)において、どのような語順に対する選好性が見られるのかを調べることは、人間言語の文理解における処理負荷がどこまで言語システムの特性なのか、それともより一般的な認知特性によるものなのかを明らかにする上で非常に興味深い。
  • OS14-4I
    依頼講演
    新国佳祐 (東北大学)
    矢野雅貴 (東北大学/日本学術振興会)
    本研究では,VOS語順を基本語順とするタロコ語を対象として,主に語順の違い(VOS対SVO)が文理解の際の処理負荷に及ぼす影響を検討するため,ERPおよび瞳孔反応を指標とする実験を行った。実験の結果,VOS語順文よりもSVO語順文の処理負荷が大きくなることが示され,文理解における語順の選好性は言語個別的な要因(基本語順)によって規定されるという個別文法仮説が支持された一方で,結果の一部は人間の普遍的認知特性もまた語順の選好性に寄与している可能性を示唆した。
  • OS14-5I
    ジェスチャーから読み解く言語と思考の関係—タロコ語と英語の比較を通して
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    依頼講演
    里麻奈美 (沖縄国際大学)
    本研究はVOS語順を持つタロコ語母語話者とSVO語順を持つ英語母語話者によるジェスチャー実験の比較を通し、(i) 「動作主-対象−動作」という事象認知の普遍性を唱える、これまでのSO言語を対象とした先行研究とは整合しないこと, (ii)動詞先行型のタロコ語話者は事象の動作情報を英語話者よりも早い段階で認知することがわかった。これは、言語が持つ語順や特性がヒトの思考に影響を及ぼしていることを反映している。