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哲学

  • O1-4
    日高昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    人工知能(AI)の研究のひとつの到達目標は、自律的にものごとを「理解」する”強いAI”を作ることである。Searle(1980)は、こうした強いAIに対して懐疑的な立場をとり、「中国語の部屋」と呼ばれる思考実験によりその実現可能性への疑義を示した。本稿は、中国語の部屋を再考し、それが情報伝達と同型であることを示す。すなわち、理解を定式化する鍵は、情報伝達の本質的な拡張にあると本研究は主張し、これを軸として理解の定式化の研究方針を論じる。
  • P2-24
    下嶋篤 (同志社大学文化情報学部)
    濱田勇輝 (同志社大学文化情報学研究科)
    福治菜摘美 (同志社大学文化情報学部)
    日常的な図読解の場面では、図の従う意味規則の判定が読解タスクの大きな部分を占める。本研究では、こうした判定プロセスの認知的研究の前提として、現実に利用される図に帰属可能な様々な意味規則の体系を、福島原発事故後1ヶ月間の朝日・読売の新聞報道で使用された823の図表現をサンプルとして調査している。本発表ではとくに、単一の図表現に対して競合する意味規則の体系が帰属可能であるために、表示される情報の網羅性が曖昧となるケースに焦点をあてる。
  • P2-29
    近年「身体性」の概念理論は古典的概念理論と対立したが、身体性理論の欠陥も指摘され、議論が行き詰まっている。本論文で身体性理論による発見を受け止めながら、最も妥当な解釈を言語哲学における反表象主義へとつなげ、「概念」という固定物に依存しない認知のモデルとして、発話行為の状況を事例記憶として記録する言語理解のモデルを提案し、その言語学的可能性を探る。