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[OS12] 脳活動からみる社会性認知のメカニズム

9月16日(金) 15:50 - 18:20 会場:A11(情報科学研究科棟1階)
 我々ヒトは社会を形成し,他者と相互作用しながら社会を維持している.この個体間の相互作用ないしコミュニケーションを成り立たせるうえで必要となる認知能力が社会性認知である.脳機能イメージング技術は,複雑で多様な社会性情報処理のメカニズムの理解に,神経基盤という視点から貢献してきた.それにより,最近の社会性認知に関する研究は「自己」と「他者」との関わりに関する様々な知見を明らかにしてきているが,いまだに未解明の部分が大きい。今後の社会性認知研究の発展には,脳機能イメージング研究と実験心理学研究のアプローチを組み合わせ,社会性認知の全体像を探っていくことが期待される.
 本セッションでは、自己と他者の認識の基盤のひとつと考えられる自己の身体性から,自他の関係の基盤となる共感・公平性・利他行動・社会的意思決定などのトピックに関して,脳機能計測(fMRI, NIRS, EEG)と実験心理学を統合した最新の研究を集めることができた.最新の知見を題材に社会性認知についてより深い議論を行いたい.

キーワード:社会性認知,自己,他者,コミュニケーション,共感性,利他行動,公平性
  • OS12-1
    他者に対して抱く印象によって変化する不平等の回避特性とその神経活動
    中谷裕教 (東京大学)
  • OS12-2
    応援が対戦ゲームにおけるプレイヤーと観察者の脳機能結合に与える影響 ー二人同時脳活動計測による検討ー
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    小出允善 (明治大学院理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    自分が運動するときだけでなく、他者が行う同じ運動を観察したときにも活動する脳領域をミラーニューロンシステム(MNS)という。本研究では、対戦ゲームにおけるプレイヤーと観察者の脳活動の同時計測を行い、プレイヤーを応援することが二者の脳間の機能的結合に与える影響を調べた。実験の結果、応援しているプレイヤーが対戦ゲームで勝ったときに観察者のMNSとプレイヤーの運動前野の活動の機能的結合がより強くなることが示された。
  • OS12-3
    運動準備中の脳活動計測による自己身体の神経基盤の検討
    座間拓郎 (明治大学)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
  • OS12-4
    競合ゲームにおける勝率最大化に関わる脳活動
    小川昭利 (順天堂大学)
    亀田達也 (東京大学)
  • OS12-5
    ヒトの社会的意思決定を支える神経機構
    鈴木真介 (東北大学)