本研究では、地図や設計図などの図的表現を用いた対面対話を対象に、図と音声言語に並ぶ一つの表現として、手がどのような役割を果たすかという問題に着目する。対面対話中、図上で行われる手の動作には、どのような情報・対話調整機能があるのか。本研究では、実対話中に図上で行われる手の動作を収集し、その機能の分類を試みた。その結果、収集された図上の手の動作は、少なくとも7つの機能に分類できることが分かった。また、その機能の中でもとくに、対話中に行われる仮定または前提を指で代表し、その仮定または前提が有効であるかどうかを示す supposition flagging の機能に注目し、その存在の実験的検証を試みた。 |