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日本認知科学会

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齋藤 菜月さん

日本認知科学会サマースクール2012参加記

南山大学人文学部心理人間学科3年
齋藤 菜月

9月4日から9月6日の2泊3日,箱根富士屋ホテルにて認知科学会サマースクールが開催されました.前年もこの場所で同じ企画が行われており,そこでは大学院生,PD,若手研究者の方々を中心に闊達な議論が交わされたということで,私のような学部生が一人で乗り込んでいいものかと悩みましたが,第一線で活躍されている方と時間を共にすることで得られるものは多いだろうと考え,参加を決意しました.実際,参加してみて,多くの刺激を受け,認知科学の面白さを改めて感じることができました.

今回のサマースクールでは,「知識の表象」「知覚と記憶」「学習と発達」という3つのテーマで,セッションと若手研究者の方のプレゼンテーションが行われました.

知識・モデル・表現・表象という用語の定義から始まり,記号接地問題,画像認識,発達,比較認知科学など,多岐にわたる講義の数々は難解でありながら,考える楽しさをひしひしと感じさせられるようなものばかりでした.また,議論においては「このようなものに応用できるのではないか」「この領域ならばこういうアプローチの仕方をする」といった,他分野からの視点,建設的な意見が多く,その発想の柔軟さに驚くばかりで,自分も場を活気付かせるような意見を言えるようになりたいという憧れとともに聞いていました.

夕食時にもディスカッションの機会が設けられました.一日目は小グループでそれまでの議論の続きを行い,二日目はそれまでのセッションと似た形式で「人間らしいロボット」についてのプレゼンテーションと議論が行われました.夕食時のディスカッションはよりフランクな雰囲気で,自由な議論がかわされていました.認知心理学,ロボティクス認知科学,また発達心理学など,様々な分野からの視点で一つの題材を見ており,そのように研究を深めていく様子は私にとってとても新鮮な光景でした.

夕食後の部屋では,楽しく会話をしつつ,議論の続きに華を咲かせ,各々の研究について話し合っていました.私自身もこれからの進路について相談したり,論文の効率的な読み方,勉強法などをアドバイスしていただいたりし,とても参考になりました.本当に色々な分野の方が互いの領域に興味を持ちながら会話を楽しむ様子は,まさに認知科学のごった煮といった様相で,非常に楽しい時間を過ごすことができました.

私は身体イメージについて関心があったのですが,そういった自分の興味のある領域について,実際それを研究しておられる先生方のお話が聞けたことは本当に良い刺激でした.よろしければ研究室に見学しに行きたく思います.また,さすが第一線で活躍しておられる方が集まっているだけあって,読んで感銘を受けていた論文や文献の著者の先生方がたくさんいらっしゃいました.この出会いはとても嬉しいもので,私の中で目標がさらに明確になったのを感じました.

認知科学会のサマースクールの特徴として,分野が多岐にわたっていることを申し上げてきましたが,様々な領域に(少しずつですが)触れることで,自分の興味のあるものだけではなく,選り好みせずにたくさんの研究に積極的に接していこう,という考えが持てるようになりました.学部生のうちにできることを精一杯やっていき,知識やロジカルに考える能力を身につけていく所存です.そして今回のように,行ける場所には貪欲に参加し,いずれはこのサマースクールで出会えた先生方のようになりたいと強く思います.

さて,この3日間は勉強不足の私にとってはとても難解な講義が詰め込まれており,とてもハードで,恥ずかしながら帰る頃には疲労困憊していました.しかしその疲れはとても快いもので,次への前向きな気持ちをはらんだものでした.今回は理解することに必死で,帰宅後に本屋に走り,関連しそうな文献を読むなどすることでやっと自分なりに整理することができたという有様でしたが,学会のシンポジウムやイベント,また,次回このサマースクールが開催されるのであればそれについても,次の機会は自分にとっても議論の場にとっても,より発展的な考えがもてるようになりたいと意気込んでおります.

最後に,この素晴らしい機会を作ってくださった先生方,また,発表者の先生方,このサマースクールに関わった全ての方々に,深くお礼を申し上げたいと思います.素晴らしい有意義な時間を本当にありがとうございました.