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日本認知科学会

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2015年度冬のシンポジウム

日時:12月12日(土)
場所:東京大学本郷キャンパス 法文一号館21教室
時間:10時~16時半
企画:三宅芳雄・白水始

企画趣旨

 本シンポジウムは三宅なほみ氏の逝去をきっかけにして、氏の研究を振り返りながら、
そこにとどまらず、認知科学を先に進めていく上での糧を得たいという思いで企画された。
 認知科学は革新性に溢れる新しい研究の分野として1970年代後半に登場した。革新の
原動力には夢と理想もあるが、一方で身近で切実な課題として、今の研究の現実をどう
捉えなおし、そこにある殻を破って新しい研究の枠組みのもとに日々の研究を作り出して
いくのかということがあった。その一つの表れは、実験室で集められる事実とそれに基づく
仮説検証型の研究の進め方を超えて、現実の生活の中での認知を広い文脈の中で捉え
ていこうとするものであった。人の認知は重層する文脈が織りなす文化環境の中で成立
する。その平均的な姿を明らかにするのではなく、むしろそこにある複雑なインタラクション
が引き起こすバラエティを捉え、それがどこに由来するのかを問題にする。そこで得られる
ものは普遍の真理というよりは、望ましい変化を作り出すための有効なものの見方、捉え
方である。それを使って、学問の世界に留まらず、現実社会の文化環境の中で変化を作
り出すことに参画し、新たな変革のための新たなものの見方を得ていく-そうした革新性
が認知科学の根源にはあっただろう。
 上記の革新性は三宅なほみ氏の研究活動そのものであるとも言える。狭い理論に留ま
らず、認知科学を進めるための新しいアイディアを出し続け、その人生の最後まで走り続
けていた研究者であった。このシンポジウムでも、研究の革新性ということを一つの視座
にして、現実の研究を見直し、今後の研究の進め方の示唆を得たい。本シンポジウムの
タイトルの一部は、三宅なほみ氏の「認知科学ハンドブック」(1992年、共立出版)への
寄稿(第一章「インタラクション:かかわり合いの統一理論を目指して」)から取ったもので
あるが、それを今後に向けて「インタラクションから革新へ」とした。
 シンポジウムは上記の目論見にしたがって、三宅なほみ氏の研究に関わりの深い分野
だけでなく、認知科学に関わる分野から広く話題提供者を求めた。研究上の交流-イン
タラクション-は革新の源ではあるが、良い交流の形が一義的に決まるわけではない。こ
こでは、話題提供者への時間配分も厳密に決めず、指定討論者も置かずに、自由に役割
を交代をしながら、随時フロアも含めた議論を活発にすることを重視して柔軟な構成を
心がけた。午前中の部には三宅なほみ氏の最近の研究に近い話題を集め、午後の部は
より広く認知科学研究の革新に関わる話題提供から構成してある。

企画構成(敬称略)

10:00-12:30 午前の部
・話題提供1:「三宅なほみとインタラクション、そして革新」三宅芳雄・白水始
・話題提供2:「建設的相互作用理論の実践化と革新」齊藤萌木・飯窪真也
・話題提供3:「状況論とインタラクション:昨日、今日、そして明日へ」青山征彦・香川秀太・有元典文・岡部大介
・話題提供4:「知能の進化と学習」中島秀之
・話題提供5:「学習における自己,他者,境界」鈴木宏昭

12:30-14:00 昼食休憩+総会 (総会は13:30-14:00に開催します)

14:00-16:30 午後の部
・話題提供6:「知のデザイン:協調的な学びと主体性」諏訪正樹
・話題提供7:「人ロボット共生学から認知的インタラクションデザイン学へ」今井倫太
・話題提供8:「実験社会科学の構想」亀田達也
・話題提供9:「脳科学研究の最前線」松田哲也
・話題提供10:「会話インタラクション研究と革新」片桐恭弘