研究分野別一覧

自然言語処理

  • O3-1F
    前川 知行 (慶應義塾大学)
    松森 匠哉 (慶應義塾大学)
    福地 庸介 (慶應義塾大学)
    今井 倫太 (慶應義塾大学)
    本研究はインタラクションとしての質の高い推薦を行う対話システムの開発を目的とする.既存の推薦対話システムには,ユーザの曖昧な興味をシステムが理解できないという問題点がある.本稿では,対話の中でユーザの興味を動的に推定するSCAIN/Rを提案する.試作したシステムを用いて参加者に対話を試してもらう予備実験を行った.結果として,ユーザの興味が曖昧な段階では,言及対象を特定しない発話をシステムが行うことが効果的であると確認された.
  • P1-16
    野村 理朗 (京都大学 大学院教育学研究科)
    河原 大輔 (早稲田大学 基幹理工学部)
    松尾 正信 (京都テキストラボ,京都情報大学院大学)
    自然言語処理により,新聞記事に対する読み手の感情と重要性を自動推定するシステムを構築した。はじめに新聞記事の重要性ならびに感情指標に関し,各々2000記事,40000記事からなるオリジナルのデータセットを構築した。続いて深層ニューラルネットワークの先端モデルの一種であるBERTをベースに,記事に対する各心理指標の分類課題を行った結果,重要性推定の精度は65%とおおよそに実用可能な水準に達した。
  • P1-38
    岡 夏樹 (京都工芸繊維大学)
    松島 茜 (京都工芸繊維大学)
    萬處 修平 (京都工芸繊維大学)
    深田 智 (京都工芸繊維大学)
    吉村 優子 (金沢大学)
    川原 功司 (名古屋外国語大学)
    言葉と画像だけの結びつけを越えたより豊かな言葉の意味理解を目指して、言葉と様々な主観的感覚(視覚を含む)の間の関係を学習させたいと考えた。このために、言語と画像に加えて様々な主観的感覚を入力とするself-attentionモデルであるSubjective BERTを提案し、特に、機能語(終助詞や助動詞)の獲得に注目して、「おいしい・ね」「おいし・そうだ・よ」などの発話理解を試みた。計算機シミュレーションの中間結果を報告する。
  • P1-41F
    池田 駿介 (東京電機大学)
    布山 美慕 (早稲田大学)
    西郷 甲矢人 (長浜バイオ大学)
    高橋 達二 (東京電機大学)
    意味の創造過程と類推・転移学習を探究するための仮説として近年に提案された,不定自然変換理論(TINT)に基づく比喩理解モデルの2種類のシミュレーションを慣習性の異なる3つの比喩を対象に行った.また,実験によって,人間の比喩解釈となる対応づけのデータを収集し,これをシミュレーション結果との比較を行なった.その結果,慣習性の高い比喩と低い比喩では人間に近い判断ができ,慣習性の中程度の比喩では人間とは異なる判断を行なった.
  • P2-10
    呉 航平 (公立はこだて未来大学)
    寺井 あすか (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
    キャッチコピーにおいてよく使われている修辞技法として比喩があることが指摘されている.本研究ではキャッチコピーにおける比喩に着目し,キャッチコピーにおいて対象となる語を被喩辞,キャッチコピーにおいて強調したい特徴を特徴語とみなすことで,比喩生成を応用したキャッチコピー作成支援システムを提案した.また,先行システムと提案システムの比較を通じ,キャッチコピー生成における比喩生成機構の有効性を示した.
  • P2-11F
    和田 周 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科)
    寺井 あすか (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
    計算機により生成された俳句に対する季語を中心とした単語関連度に基づく評価機構について検討した.まず,現代俳句データベースを用いてSeqGANの学習を行い,季節情報を付与された俳句生成が可能なシステムを開発した.生成された俳句に対し,季語及び構成語の関連度を推定し,評価実験で得られた俳句の良さに関する評定値との関係を分析した.その結果,意味の理解しやすい句において季語と対立語の関連度が低いほど良い俳句であると評価される傾向が示唆された.
  • P2-20
    黒田 航 (杏林大学医学部)
    阿部 慶賀 (和光大学現代人間学部)
    粟津 俊二 (実践女子大学教育学部)
    寺井 あすか (公立はこだて未来大学 システム情報科学部)
    土屋 智行 (九州大学言語文化学部)
    日本語容認度評定データ (ARDJ) では容認度評定を得るために466種類の刺激文を使用した.その後,同一文から読み時間データを追加収集し評定値データと対応づけた.黒田ら (2020) はこのデータの回帰分析から,読み時間と容認性判断との間に明確な相関が見出せない事を報告した.本研究はRPART を使ってこの結果を再評価した.読み時間と容認度判断との相関は,限定的かつ複雑である事が示唆された.
  • P2-48F
    岡 隆之介 (三菱電機株式会社)
    大島 裕明 (兵庫県立大学大学院情報科学研究科)
    楠見 孝 (京都大学大学院教育学研究科)
    本研究では、Oka and Kusumi (2021)で見られた、主題に付与された特徴が増えることで字義文に対する比喩文の言い換えの割合が高まるという現象を、言語モデル(word2vec, BERT)で追試することを目的とする。結果、主題に付与される特徴が増えるほど文間の類似度は大きくなることを確認し、言語モデルは人の比喩選択割合を追試しなかった。一方で、各言語モデルに基づく文の類似度は人の比喩選択割合と正の相関関係にあった。