日程

ポスターセッション2 (sP2)

9月1日(土) 12:00 - 14:30
会場:B棟1F イベントホール
  • sP2-1
    髙橋麻衣子 (東京大学)
    石川実佳 (名古屋大学)
    清河幸子 (名古屋大学)
    本研究では,背景音の提示が学習成績に干渉を及ぼす程度が学習者のワーキングメモリ容量によって異なるのかを検討した。器楽音と歌詞の有無を操作した背景音が,読解課題(実験1),系列再生課題(実験2),見本照合課題(実験3)に及ぼす影響を検討したところ,読解課題において,ワーキングメモリ容量の小さい学習者は背景音の提示によって成績が低下するが,他の課題においてはワーキングメモリ容量と背景音提示の干渉の程度に関連がないことが示された。
  • sP2-2
    稲葉みどり (愛知教育大学)
    本研究では、日本語の発達過程を英語の発達過程と比較した。日本語を第一言語とする子どもと英語を第一言語とする子どもの物語文(Frog Story)を対象として、1)発話数の年齢による推移、2)形態素数の年齢による推移、3)平均発話長から見た発達過程等を比較した。結果から、幾つかの類似点と相違点が明らかになった。また、平均発話長(MLU)は分析方法によって数値に大きな差が出ることが分かった。
  • sP2-3
    におい手がかりによって想起される自伝的記憶の特徴
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    後藤靖宏 (北星学園大学文学部 心理・応用コミュニケーション学科)
    プルースト現象の特徴を調べるために,生起率,自伝的記憶,におい手がかり,および想起状況に着目し,においによって想起された記憶を幅広く収集した.大学生の1週間分の記憶199ケースを分類したところ,35%強に当たる70ケースがプルースト現象に分類され,半数の人が1週間に1回以上体験していた.内容は11カテゴリに分類され,より快で重要性の高い,鮮明な思い出が多く手がかりとなったにおいは6カテゴリに分類され,快でかつ強いにおいであった.
  • sP2-4
    前東晃礼 (株式会社KDDI総合研究所)
    三輪和久 (名古屋大学情報学研究科)
    小島一晃 (帝京大学ラーニングテクノロジー開発室)
    本研究では,自動化システムとの協同と人間との協同における課題委託について実験的検討を行った.実験では,参加者は,パートナーと追従課題を行った.パートナーは自動化システム(システム条件),または人間(ヒューマン条件)であると教示された.しかし実際には,全ての参加者は自動化システムと課題を行った.実験の結果,システム条件の参加者は,追従パフォーマンスの変化に鋭敏であり,課題委託の適切性が高かった.この結果は,先行研究に基づいて議論された.
  • sP2-5
    宿利由希子 (神戸大学)
    Gøran Vaage (神戸女学院大学)
    林良子 (神戸大学)
    定延利之 (京都大学)
    本発表では,日本語の対話において相手から面白い話を聞いた場合,学習者はその直後に応答しがちであること,また,母語話者より早い発話タイミングでの応答を好みがちであることを実験で示す.この結果は,「間」を単に「先行発話を解釈し,応答発話を準備する時間」ととらえては理解できない.少なくとも「間」の一部は,たとえば「束の間の沈思黙考」「たじろぎ」「態勢の立て直し」のような,不作為の行動と考える必要がある.
  • sP2-6
    邱華琛 (名古屋大学情報学研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学情報学研究科)
    Snake is a serious threat to humans for the past millions of years so that humans became extremely sensitive to snakes during the long evolution period. The present experiment shows that humans and non-human primates can detect snake pictures more quickly and accurately than those of other animals. Here we performed a flicker paradigm task to compare the accuracy and speed of detection between two types of the target stimuli, which consisted of snake pictures and lizard pictures. We find that the snake target stimuli can be detected more rapidly and accurately than lizard target stimuli. Our study shows that participants were more sensitive to snake pictures during the flicker paradigm task and supports the Snake Detection Theory.
  • sP2-7
    林美都子 (北海道教育大学)
    佐々木基 (北海道教育大学函館キャンパス)
    本研究では、立ち技格闘技の人気を復権するため、ポスター等で一般観客にアピールする状況を想定し、コスチュームの配色で伝わる選手の個性や印象を検討した。大学生281名に調査を行った。格闘家イメージ尺度は、実力を核に据えた「格闘技家らしさ」と「優美さ」、「愛嬌」で構成された。配色別分散分析の結果、赤グローブに黒トランクスがもっとも格闘技家らしく、青グローブに白トランスで優美なイメージ、黄色トランクスでは愛嬌がアピールされることが示された。
  • sP2-8
    美術家の創作過程の検討:美術創作における「ずらし」に着目した分析
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    横地早和子 (東京未来大学)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    本研究では,若手と熟達した美術家の創作活動における「ずらし」に着目し,作品コンセプトや表現方法などを新たに生成する際の認知過程について検討することを目的とした.分析結果からは,若手美術家が表現方法を変えずにモチーフを変える対象のずらしを行うなど熟達者と同じずらしを用いる一方,表現のための方法も主題もすべて一気に変えてしまう傾向があるなど,若手が熟達者と異なる方法で作品を変化させていることが分かった.
  • sP2-9
    Tanyaporn Pungrasmi (パナソニック株式会社プロダクト解析センター)
    島岡優策 (パナソニック株式会社プロダクト解析センター)
    岡本球夫 (パナソニック株式会社 プロダクト解析センター)
    渡邊竜司 (パナソニック株式会社プロダクト解析センター)
    In this paper, we introduce the concept of a human-inspired pain sensing system, imitating the sensing location of mechanical nociceptors in human skin (superficial somatic pain) and skeletal muscle (deep somatic pain) for personal care robot safety application. We expect that the system will not only measure the pain for personal care robot safety evaluation, but also show the difference between these two kinds of pain due to various contact conditions. In this study, we developed the arm prototype which imitates human nociceptor mechanism, and verified our pain sensing concept by conducting experiment with various contact situations.
  • sP2-10
    中村太戯留 (慶應義塾大学)
    ユーモアは皮肉表現からも生じうることが知られている.しかし,ユーモアを生じない皮肉表現もあり,ユーモアを生じる条件は不明である.本研究では,日常的表現を用いて,ユーモアと皮肉の関係を実証的に検討することを試みた.意味分析の結果,ユーモアを生じた群では「次回にやり直しができる程度の悪い出来事」が関与するのに対して,ユーモアを生じない群では「やり直しの出来ない深刻な悪い出来事」が関与するように見える.
  • sP2-11
    阿部慶賀 (岐阜聖徳学園大学)
    本研究では、聴覚刺激による充実時程錯覚が非可聴領域の音源を用いた場合にも生じるかを検討した。実験では、心拍と同程度のペースの断続的なビープ音と、その倍速のペースのビープ音を用意し、それぞれ可聴領域の音域と、非可聴領域の音域で提示し、主観的な経過時間の長さを報告させた。その結果、可聴領域のみ、充実時程錯覚が見られた。
  • sP2-12
    羅希 (京都大学)
    定延利之 (京都大学)
    話の面白さが,発話のタイミング次第で活かされも殺されもするということは,経験的に知られている.だが,従来の研究は,話の内容の面白さの解明に集中しがちであった.この発表は,話の面白さを活かす発話タイミングに光を当て,対話音声合成ツールを利用することによって,これが画一的なものではなく,言語間で(つまり日本語と中国語で),また話の「型」ごとに違っていることを示し,その奥深さの一端を示そうとするものである.
  • sP2-14
    山本敦 (早稲田大学人間科学研究科)
    古山宣洋 (早稲田大学人間科学学術院)
    熟練者のピアノレッスンでは, 演奏を中断すべき介入と継続すべき介入とが, 教師と生徒の両者によって適切に区別・調整されている. この調整方略を明らかにするために, 音大生のレッスンをビデオ撮影し, 介入‐応答のパターンを分析した. その結果, 介入タイミング(生徒の演奏音と介入発話・演奏の時間的競合の有無)と介入の内容(介入演奏と現在の演奏との関係, 指示詞・呼びかけの使用)が資源として用いられている可能性が示唆された.
  • sP2-15
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    金野武司 (金沢工業大学工学部電気電子工学科)
    長滝祥司 (中京大学)
    大平英樹 (名古屋大学)
    入江諒 (金沢工業大学 工学研究科 電気電子工学専攻)
    河上章太郎 (金沢工業大学工学研究科電気電子工学専攻)
    佐藤拓磨 (金沢工業大学)
    加藤樹里 (金沢工業大学)
    柏端達也 (慶應義塾大学)
    三浦俊彦 (東京大学)
    久保田進一 (金沢大学)
    柴田正良 (金沢大学)
    本稿ではまず,ロボットが人間と共生するためには,ロボットは道徳的な行為主体であり,そのためには,ロボットが代替不可能性を持つ必要があり,それはとりもなおさずロボットが<個性>を持つことである,ということを論じる.このテーゼに基づき,ロボットと人間が身体的に同調するようなインタラクション(身体的調整運動タスク)により,ロボットが道徳的主体であると人間が判断することに影響があるかどうかを調べる実験を構築する.
  • sP2-16
    太田博三 (放送大学 教養学部)
    昨今,自然言語処理における対話システムや対話生成が注目されている.チャットボットのコールセンターへの普及により,正確な人間性な対話応答が求められ ている.一方,社会学のエスノメソドロジーや談話分析・会話分析における定性的な相互行為は有益である.そこで,もう一度,国立国語研究所の提供する日本 語学習者会話データコーパスを用いて,効果を検証し対話破綻の傾向や対話生成に適用することを目指した考察である.
  • sP2-17
    山口琢 (フリー)
    小林龍生 (スコレックス)
    高橋慈子 (株式会社ハーティネス)
    大場みち子 (公立はこだて未来大学)
    パズルを適切に設計して,パズルを解く操作を測定・分析することで,プレイヤーの思考を推定する手法を提案する.パズルとは「人に考えさせるコンピューター・アプリケーション」である.例えば,ジグソー・テキストは,ランダムに並んだ文を,プレイヤーが適切と考える順序に並べ替えて完成させる,文章のジグソー・パズルである.時間的に近くで操作対象となるピース間には何かの関係があると考えられ,操作の時間的な共起分析が,パズル操作の分析に有効と考えられる.
  • sP2-18
    山田雅之 (星槎大学)
    児玉謙太郎 (神奈川大学)
    清水大地 (東京大学教育学研究科)
    大海悠太 (東京工芸大学)
    本研究はアイスホッケー熟達過程における発話の変容過程を可視化した.分析には議論可視化システムであるKBDeXを用いてネットワーク分析を実施した.8日分の発話データを分析した結果,次数中心性が大きく変化する箇所ではスキルの獲得や練習メニューの変容が起きていた.本研究の結果から,コーチはスキルの獲得に応じて支援を変容させていることが示唆され,これらの変容をKBDeXによって閲覧可能であることが示唆された.
  • sP2-19
    プロトコル分析を用いた芸術鑑賞の認知過程の検討 -作品創作プロセスに対する鑑賞者の認識に焦点を当てて-
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    松本一樹 (東京大学教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    芸術鑑賞における認知過程は包括的なモデル化が試みられている.本研究では,その中でも創作プロセスの認識という近年注目され始めた要素について,それが美的印象やその他の認知要素とどのような関係性にあるか,介入(創作経験)を通じて間接的に,心理尺度と発話データを用いて検討した.その結果,創作経験は作品の種類にかかわらず美的印象を促進する効果を持ち,かつその過程の中で創作プロセスの認識が重要な役割を果たしている可能性が示された.
  • sP2-20
    清水大地 (東京大学教育学研究科)
    平島雅也 (情報通信研究機構脳情報通信融合研究センター)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    上演芸術において演者はどのように優れた作品を生み出すのか。本研究では、ブレイクダンスの熟達者に対する1週間に渡るケーススタディを実施し、その新奇な技術の創作過程を捉えた。アイデアの発話データ・アイデアの新奇性の自己評価データ・身体運動データ等により創作過程を検証したところ、内的制約を大きく変化させることで新奇な技術を生成したこと、上記の変化にアイデアを具現化する過程が関わっていたことが示唆された。
  • sP2-21
    山田雅敏 (常葉大学 健康プロデュース学部)
    里大輔 (SATO SPEED Inc.)
    遠山紗矢香 (静岡大学情報学部)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では,ランニングコーチから指導を受けたドイツリーグに所属するサッカー選手の言語報告に注目し,疾走に対する認知変容の特徴を明らかにすることを目的とした.その結果,(1)新しい疾走動作の指導を受けた際の気づき,(2)腕振りの動作による疾走スピードの体感,(3)腕振りの動作による足(下肢)の動作との連動,が共通した特徴として示された.以上,身体と言語の関係性が明らかになり,言語報告から熟達度合を予測できる可能性が示唆された.
  • sP2-22
    西澤弘行 (常磐大学)
    佐藤貴宣 (日本学術振興会/京都大学)
    坂井田瑠衣 (国立情報学研究所)
    南保輔 (成城大学)
    Through discussion with a visually impaired person/co-author of this study and observation of his interactions with an orientation and mobility specialist from the perspective of ethnomethodology and conversation analysis, this paper demonstrates that the cognitive and social motivations for touching by the visually impaired are a possible basis for co-constructing knowledge of the surrounding environment with others.
  • sP2-23
    ジョキョウテツ (千葉大学融合理工学府)
    松香敏彦 (千葉大学文学部)
    顔の印象評定に関する先行研究では、顔への観察行動は観察者自身の性格特性に強く影響されていることが示されている。これらの結果から、観察行動を用いて観察者の性格特性を予測することが可能だと考えられる。この可能性を検討するため、先行研究と同様の顔画像への印象評定課題を用いた実験をおこなった。具体的には、アイトラッカーを用いて観察行動である眼球運動データ、および観察者の性格特性を収集し、階層的ベイズモデルを用いたデータ分析をおこなった。
  • sP2-24
    伊藤毅志 (電気通信大学情報理工学研究科)
    This research is an interview with Mr. Yuuta Igawa who is a top-player of Go and analyzing the content that he said about himself in the first person viewpoint. It was also confirmed that he is a player with high self-analysis ability and can talk his thought objectively. The verbal data shows the difference between Go and Shogi and the common point as a top player.
  • sP2-25
    ヒュース由美 (東京大学学際情報学府)
    工藤和俊 (東京大学情報学環学際情報学府)
    即興演劇は, 事前の相談や決められたセリフがなく, 共演者がどんなアイデアを持ち, 自分に対してどのようなアプローチを仕掛けてくるか全く分からない環境の中で, 即興的に劇を創作する芸術である.本研究では, 実際の即興演劇ライブを撮影したビデオ映像のデータをもとに, セリフと視線行動の関係を分析した結果, 俳優たちは登場人物を演じながら, 劇の重要なポイントで相手のサインを読み取る非言語コミュニケーションを行っていることが明らかになった.
  • sP2-26
    福丸歩実 (千葉工業大学)
    山崎治 (千葉工業大学)
    本研究では、文章に未完成の図を添え、実験参加者がその図へ情報を書き加える方法に着目し、文章理解に与える効果を調べる心理実験を行った。さらに、未完成図が与える文章理解への効果が、図の形式(例えばグラフ/イラストなど)によって異なるか検証を行った。実験は、図の形式条件(軸/棒グラフ/イラスト)×未完成図の段階条件(完成図/内容ぬき/用語ぬき)の2要因3×3水準参加者間計画で実験を実施した。統制条件として、図なし条件を設けた。
  • sP2-27
    大村勝久 (静岡県立浜松北高等学校)
    遠山紗矢香 (静岡大学情報学部)
    松澤芳昭 (青山学院大学)
    卒業後に4年制の大学に入学できる高校生を対象に,生徒が協調学習で学んだことが学習後どのような期間において保持されるのかを検討した.数学3の複素数の問題を知識構成型ジグソー法で学んだ高校2年生76名(Aクラス/Bクラス)に対して,協調学習直後(Aクラスは当日,Bクラスは4日後)に加えて,1ヵ月後および3ヵ月後の2度の遅延テストを実施した.その結果,最も正答者が多かったのはAクラスでは事後テスト,Bクラスでは遅延テスト2度目となった.
  • sP2-28
    石川悟 (北星学園大学文学部)
    説明資料に事前に与えられたタイトルが,説明内容に対し抱かせる期待及び,内容の理解や説明に対する満足をどのように導くのか,探索的に検討を加えた.実験参加者に異なるタイトルを提示した後に説明を聞かせたところ,タイトルの違いにより異なる事前期待が生じた.また,事象の全般にわたった説明が聞ける,という期待は,事後評価や説明内容の理解の程度,あるいは説明に対する満足の程度を促進することが示唆された.
  • sP2-29
    川﨑貴子 (法政大学)
    田中邦佳 (法政大学)
    竹内雅樹 (理化学研究所脳神経科学研究センター ​言語発達研究チーム )
    本研究では選択肢呈示タイミングと聴取対象語の文中のポジションにより, 1)選択的注意が誘導できるか,2)注意誘導によりL2音知覚の成績が向上するかどうかを日本語・中国語母語話者を対象とした音声知覚実験を行って調査した.その結果,音声呈示の前に選択肢呈示を行うことで知覚成績が向上すること,聴取対象の語の文中の位置が知覚に影響を与えることが分かった.また,選択的注意の誘導は,音声知覚のプリファレンス効果の抑制の効果もあることが示唆された.
  • sP2-30
    赤木満里奈 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    野中哲士 (神戸大学人間発達環境学研究科)
    芸術における創作プロセスには、様々な研究がなされているが、近年のコンテンポラリーダンス作品においての創作プロセスは多様化してきている。本研究では、コンテンポラリーダンスが作品を上演するにいたるまでの創作プロセスを明らかにするとともに、どのように周囲の場を利用しているかについて追うことを目的とする。実際のリハーサル動画を分析したところ、動きの素材をつなぎ合わせてシーンをつくる形と、前後の流れからシーンをつくる形があることが判明した。
  • sP2-31
    中根愛 (NTT)
    渡邉浩志 (NTT)
    小林哲生 (NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
    ワークショップの個人ワークで内省を行う際に,外化をすること,外化をしないことが,参加者の思考や感情にどのような影響を与えるのかについて探索的に検討を行った.結果,外化する場合は論理性・一貫性が高い思考が可能になるが,自ら設定した枠組みに含まれない概念や,矛盾したアイディアは考慮の対象にならないことが示唆された.外化しない場合には,枠組みにとらわれない思考がされ,内省や共有の際に,自身の考えへの新たな気付きが多くされることが示唆された.
  • sP2-32
    本庄正弥 (東京電機大学)
    日根恭子 (東京電機大学情報認知科学研究室)
    これまでに,他者の好ましい行動について,その原因がその他者本人にあると推測される内的帰属がされることで,印象が向上することが示唆されている.本研究では,悪印象を抱いた他者に対しても,好ましい行動の内的帰属を促進させ情報提示をすれば,印象が向上するか検討した.内的帰属を促進する情報提示方法として,共変モデルを用いた.その結果,社交性と積極性について,内的帰属を促進することで印象が向上することが明らかとなった.
  • sP2-33
    なぜ人は組み立てた家具にタッチするのか?
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    鈴木紀子 (元帝塚山大学)
    正田悠 (立命館大学)
    阪田真己子 (同志社大学文化情報学部)
    伊藤紀子 (同志社大学)
    山本倫也 (関西学院大学)
    今城真由香 (同志社大学)
    人工物を一定期間使い続けることで、人はその人工物に対して愛着を感じたり、アニミズム的思考を持ち、結果として対人的な行動を取ることが知られている。本稿では、小型家具という擬人的な外観を持たない人工物に対し、1時間にも満たない組立作業終了時において表出された作業者の接触行動について、参加人数や行動指標・心理指標・社会的スキルを用いて分析した結果を報告する。
  • sP2-34
    小川有希子 (法政大学社会学部)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    本研究はチャップリンが監督・主演したコメディ映画を見る際に鑑賞者に生じるユーモアと笑いの認知に関わる神経メカニズムを調べることを目的とし,鑑賞中の脳活動をNIRSで計測した.実験の結果,独自に作成したチャップリンのおもしろさ測定尺度によって実験用映像をあらかじめ評定させ,主成分分析を施した結果の第1主成分~第3主成分と,ミラーニューロンシステムや心の理論に関わる領域の脳活動の間に有意な相関があることが示された.
  • sP2-35
    浅野潤 (東京電機大学)
    日根恭子 (東京電機大学情報認知科学研究室)
    ポータルサイトの表現方法には、「文字」「アイコン」と「組み合わせ」が存在し、「組み合わせ」が最良だと示唆されるが、目標情報が効率的に得られるかは十分に検討されていない。本研究では、心理実験を行い、目標情報を得るまでの選択時間と正答率を調べることで、どの表現方法が効率的に情報を得ることができるかを調べた。結果「組み合わせ」は選択時間に差は見られない一方、正答率は高かった。これにより「組み合わせ」は最も効率的な情報伝達手段であるといえる。
  • sP2-36
    吉原優華里 (東京電機大学情報認知科学研究室)
    日根恭子 (東京電機大学情報認知科学研究室)
    近年、撮影された画像は画像加工アプリを使用してSNSに投稿することが流行している。これまでの研究により、写真を撮影すること自体に心理的効果があることが示唆されている。しかし、写真を加工する作業自体の効果は不明である。本研究の結果、写真撮影後にその写真を加工すると、作業者のポジティブ情動評価値が増加した一方、写真撮影のみの場合はポジティブ情動評価値が減少した。従って、写真の加工作業はポジティブな気分に影響すると考えられる。
  • sP2-37
    新美亮輔 (新潟大学人文学部)
    物体の擬人的知覚とその要因を実験的に検討した。実験参加者が擬人的に評価した車とイスの年齢や性別は,物体の色の彩度や,その物体を使用していそうな人の知識などに関連していた。さらに,物体のデザイン特性語・パーソナリティ特性語による評定を行ったところ,これらも擬人的知覚に関連していた。また,パーソナリティ特性は物体の主観的好ましさにも関連していた。擬人的知覚は,高次の視覚物体認識のさまざまな側面に関わっていることが示唆された。
  • sP2-38
    田中大介 (鳥取大学地域学部)
    水姓由薫 (鳥取大学地域学部)
    課題遂行時における経過時間の主観的ゆがみを実験的に検討した。具体的には計算課題の難易度を操作して課題の認知負荷を変えるのとともに,実験協力者が遂行した課題を面白いと感じたかどうかを参加者間要因の独立変数とした.結果,課題の難易度が高まる事で時間は速く流れるように感じられる事が明らかとなり,難しい課題の場合はそれを面白いと感じた人はより時間の流れを速く感じること,一方で簡単な課題の場合は,それと反対に感じられている可能性が示唆された.
  • sP2-39
    小野淳平 (菅原学園 専門学校デジタルアーツ仙台)
    小方孝 (岩手県立大学)
    ストーリーを作る際に,読み手の予想を外れることにより,ストーリーの印象を強める方法がある.筆者らが提案するギャップ技法はストーリーにギャップを与え,ギャップにより読み手に驚きを与える.本稿では,二つのギャップ技法の使用方法を検討する.一つは統合物語生成システムのためのギャップ技法の使用方法である.もう一つはストーリーの要素を定義する世界設定に変化する方法である.二つの方法により筆者らは物語自動生成ゲームにおけるストーリー生成を拡張する.
  • sP2-40
    佐山公一 (小樽商科大学商学部)
    話し手が,話し手の怒りの理由を伝えるとき,話し手の怒りの表情や怒りを含む音声が,メッセージの理解にどう影響するかを実験的に検討した.映像を見た後,映像で伝えられたメッセージの分かりやすさと話し手の怒りを評定した.メッセージが話し手を怒らせる理由の有無,話し手の表情の怒りの有無,話し手の声のトーンの怒りの有無に分け分析した.その結果,声のトーンが,メッセージに怒りがあるかどうかの判断に影響することが示唆された.
  • sP2-41
    加藤由香利 (成城大学社会イノベーション研究科)
    新垣紀子 (成城大学社会イノベーション研究科)
    中村國則 (成城大学社会イノベーション研究科)
    西脇裕作 (豊橋技術科学大学情報・知能工学系)
    岡田美智男 (豊橋技術科学大学情報・知能工学系)
    本研究は、ロボットの外見が、ロボットとのインタラクションに及ぼす影響を明らかにすることを目的として行った。4種類の箱型ロボットの写真 (ロボットに目と口がある場合、目だけがある場合、口だけがある場合、顔のパーツがない場合)について、会話機能や会話したいと思うかの評価を行った。その結果、目と口があるロボットは、親しみやすく、会話ができそうなロボットだと評価された。この結果より、コミュニケーションロボットの、目と口の必要性が示唆された。