日程

口頭発表1:インタラクション (sO1)

8月31日(金) 8:40 - 10:10
会場:B棟2F グランドホール
座長:正田悠(立命館大学)
  • sO1-1
    田中伸之輔 (筑波大学)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    須藤智 (静岡大学)
     公共空間に設置された人工物を利用する際,他者の利用を観察できる観察学習がもたらす支援効果について検討した。参加者(高齢者・若年者)を観察学習の有無で群分けし,空港を模したスペースで,出入国管理システムである顔認証ゲートを3回利用するユーザビリティテスト実験を行なった。その結果,特に高齢者に強く観察学習の支援効果が現れ,若年者でも観察される試行反復による学習とは独立な効果が示された。機器利用を苦手とする人への観察学習の有効性が示された。
  • sO1-2
    医療におけるソーシャルイノベーションの萌芽過程
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    新垣紀子 (成城大学社会イノベーション研究科)
    都築幸恵 (成城大学)
    本研究は、ソーシャルイノベーションが社会に浸透するプロセスを検討するために、医療場面を対象として、専門家の活動を分析した。2名の開業医に対して、インタビューおよび参与観察を行い、活動の記録を調査した。その結果、社会問題解決のためのモデルは、当初から検討されているものではなく、試行錯誤の結果に生まれること、問題解決の過程では、異分野の考え方による視点の変換が重要な役割をしていることがわかった。
  • sO1-3
    中村雅子 (東京都市大学)
    渡部宣弥 (NRIデータiテック株式会社)
    竹中慧 (パナソニックシステムソリューションズジャパン株式会社)
    本研究では情報システム開発についてシステムエンジニアらに行ったインタビュー調査から得た事例の検討を行った.システム開発を,使う側(ユーザ、依頼企業)と,それを制作する側(デザイナ、IT企業)という2つのグループの間の境界を越えてシステムをデザインする越境的な活動と捉えることで,システム開発の現場においては規範的なプロセスとは別の越境のための「現場の工夫」が重要な意義を持つことを示した.
  • sO1-4
    市川淳 (京都工芸繊維大学)
    藤井慶輔 (理化学研究所革新知能統合研究センター)
    長井隆行 (電気通信大学)
    大森隆司 (玉川大学)
    岡夏樹 (京都工芸繊維大学)
    本研究では,生きるうえでの基盤であり,他者に対して良好な関係を図る態度や行動である社会性を,保育園で観察される集団の振る舞いから定量的に評価することを試みた.子どもが音楽に合わせて自由に活動するリトミックを定期的に撮影し,取得した位置データを分析した.結果,6才ごろの活動はそれより前の月齢の活動に比べて他の子どもに向かって近づく頻度が高いことを確認した.本研究は,発達のサポートを検討する保育士に有益な情報を提供することが期待される.
  • sO1-5
    社会的インタラクションの予期が分配の決定の一貫性を高める
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    上島淳史 (東京大学人文社会系研究科/日本学術振興会)
    亀田達也 (東京大学人文社会系研究科)
    限られた資源の分配には、平等主義、功利主義、マキシミンなどの諸価値が存在する。本研究では、人々が分配に関する価値を折衷的に支持するかあるいは原理的に支持するかが、社会的インタラクションの予期により調整される可能性を検討した。実験の結果、他者との議論を予期することが、特定の分配価値への一貫した支持を高める可能性が示された。