研究分野別一覧

その他

  • OS11-5
    公募発表
    都地裕樹 (明治大学理工学部/日本学術振興会)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    社交不安症者は他者の表情を脅威として処理を行う偏向が報告されており,他者視線は社交不安を引き起こすことが知られている.本研究では,感情の強度を変化させた幸せ,嫌悪の感情を含む他者視線の印象形成に社交不安傾向が与える影響について調査を行ったところ,低社交不安傾向者は嫌悪の感情が含まれる他者視線に対して,高社交不安傾向者はあいまいな幸せの感情や嫌悪の感情が含まれる他者視線に対してネガティブな印象を抱くことを明らかにした.
  • OS11-6
    公募発表
    久保(川合)南海子 (愛知淑徳大学)
    本研究では、いわゆるオタクの創作活動として広くみられる「二次創作」を題材に、異投射と虚投射としてそれらを解釈することで、プロジェクションについて考察する。二次創作の作者と読者の相互の交流は活発であり、双方向のプロセスを経ることで個人の異投射はより強化され、多くの人で共有される虚投射となる。これまで投射の共有や遷移についてあまり着目されてこなかったが、それらの視点から宗教や芸術活動などについても検討する。
  • sO1-2
    新垣紀子 (成城大学社会イノベーション研究科)
    都築幸恵 (成城大学)
    本研究は、ソーシャルイノベーションが社会に浸透するプロセスを検討するために、医療場面を対象として、専門家の活動を分析した。2名の開業医に対して、インタビューおよび参与観察を行い、活動の記録を調査した。その結果、社会問題解決のためのモデルは、当初から検討されているものではなく、試行錯誤の結果に生まれること、問題解決の過程では、異分野の考え方による視点の変換が重要な役割をしていることがわかった。
  • sP1-25
    伊藤拓哉 (岩手県立大学)
    佐々木淳 (AOI TYO Holdings株式会社)
    小方孝 (岩手県立大学)
    俳句は断片的な要素の集合であり,読者は個々の要素を様々な情報と結びつけることにより解釈を生み出す.この解釈過程を参考に,筆者は俳句からの物語生成を考案している.本稿では,俳句の中の単語から単語ネットワークを構築し,このネットワークの語を用いて生成の核となる物語を生成する手順を示す.さらにCMに関する情報を体系的にまとめたCreative Genomeの要素を用いることで,俳句の印象を反映したCM生成への展開を目指す.
  • sP1-29
    今泉拓 (東京大学学際情報学府)
    高橋康介 (中京大学心理学部准教授)
    植田一博 (東京大学総合文化研究科)
    生物でない物体にヒトらしさを感じることはアニマシー知覚として知られている.本研究では,形状の点でヒトに類似した対象よりもそうではない対象に対してアニマシーがより強く知覚される可能性について,ヒトのイラスト,しめじ,マッチ棒を比較し探索的に検討した。結果,形状ではヒトのイラストが1番ヒトらしいと評価されたものの,社会的な関係性を想起されるような動きが伴った際には,しめじにたいして1番強く感情が認知されることが示された.
  • sP1-42
    馬田一郎 (株式会社KDDI総合研究所)
    伊集院幸輝 (同志社大学)
    加藤恒夫 (同志社大学)
    山本誠一 (同志社大学)
    次話者と現話者間の相互注視により会話の制御が行われているとの仮説の下に、現話者・次話者・残りの聞き手の注視行動を母語会話と第2言語会話において分析した。相関分析の結果、母語の自由対話と課題対話、および第2言語の課題対話においては、話者交代が起こる発話の前でのみ、現話者から次話者への注視と次話者から現話者への注視に相関がみられた。このことから、これらの会話においては、相互注視が発話順序の割り振りに重要な役割を果たしていることが示唆された。
  • sP1-45
    児玉謙太郎 (神奈川大学)
    山際英男 (東京都立東部療育センター)
    本研究は全身協調バランス・スポーツ“スラックライン”の熟達過程を調べることを目的とする.特に,基本技能とされる片脚立ちを行っている最中の両手の協調性に着目し事例データで検討した.初心者2名の1か月(週1回×4週間)のトレーニングの前後の両手の協調性を相互再帰定量化分析(再帰率)で定量評価した結果,いずれの参加者も両手の協調性が高くなっていたことが明らかとなった.今後さらに全身の姿勢や認知との関係など詳細に検証していく計画である.
  • sP1-49
    青木慎一郎 (岩手県立大学)
    小方孝 (岩手県立大学)
    小野淳平 (菅原学園 専門学校デジタルアーツ仙台)
    自閉スペクトラム症(ASD)の認知・行動パターンに関わる物語生成理論による理解を示した。困難は「何を語るか」よりも「如何に語るか」だった。彼らは「部分」や「非連続性」について敏感であるため、強い「驚き」と感じ物語が進まなくなってしまう。「全体と部分」は「中枢性統合」の、「連続性と非連続性」は実行機能の働きとも言える。また、人の心を文脈の中で理解する「心の理論」にも通ずる。この理解から、物語生成理論に基づく支援ツールについても展望した。
  • sP1-51
    中里周子 (東京藝術大学美術学部)
    矢野史朗 (東京農工大学工学研究院)
    宇野良子 (東京農工大学工学研究院)
     本研究は人物写真における擬物化から、現代アートにおける人間観を明らかにすることを目指して、アンケート調査を行なった。結果として、人間の身体の扱い方が、物を扱っている時のようであり、鑑賞者が比較的不快感を感じる擬物化と、人間の身体が素材となり機能が増えるような加工が行われ、鑑賞者が快と感じる擬物化が主に観察された。
  • sP1-57
    小方孝 (岩手県立大学)
    本稿では,歌舞伎を媒介として,多元的物語論とは何か,物語への文化的アプローチとは何か,芸能としての物語とは何か,について論じた.最後に,統合物語生成システムと芸能情報システムとの連携としての全体としての物語生成システムの構成を示した.今後は,ここで挙げた諸概念とのより密接な関連において,歌舞伎の調査・研究を進め,統合物語生成システムと芸能情報システムが連動した物語生成システムの設計・開発を進展させる.
  • sP2-3
    後藤靖宏 (北星学園大学文学部 心理・応用コミュニケーション学科)
    プルースト現象の特徴を調べるために,生起率,自伝的記憶,におい手がかり,および想起状況に着目し,においによって想起された記憶を幅広く収集した.大学生の1週間分の記憶199ケースを分類したところ,35%強に当たる70ケースがプルースト現象に分類され,半数の人が1週間に1回以上体験していた.内容は11カテゴリに分類され,より快で重要性の高い,鮮明な思い出が多く手がかりとなったにおいは6カテゴリに分類され,快でかつ強いにおいであった.
  • sP2-4
    前東晃礼 (株式会社KDDI総合研究所)
    三輪和久 (名古屋大学情報学研究科)
    小島一晃 (帝京大学ラーニングテクノロジー開発室)
    本研究では,自動化システムとの協同と人間との協同における課題委託について実験的検討を行った.実験では,参加者は,パートナーと追従課題を行った.パートナーは自動化システム(システム条件),または人間(ヒューマン条件)であると教示された.しかし実際には,全ての参加者は自動化システムと課題を行った.実験の結果,システム条件の参加者は,追従パフォーマンスの変化に鋭敏であり,課題委託の適切性が高かった.この結果は,先行研究に基づいて議論された.
  • sP2-8
    横地早和子 (東京未来大学)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    本研究では,若手と熟達した美術家の創作活動における「ずらし」に着目し,作品コンセプトや表現方法などを新たに生成する際の認知過程について検討することを目的とした.分析結果からは,若手美術家が表現方法を変えずにモチーフを変える対象のずらしを行うなど熟達者と同じずらしを用いる一方,表現のための方法も主題もすべて一気に変えてしまう傾向があるなど,若手が熟達者と異なる方法で作品を変化させていることが分かった.
  • sP2-15
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    金野武司 (金沢工業大学工学部電気電子工学科)
    長滝祥司 (中京大学)
    大平英樹 (名古屋大学)
    入江諒 (金沢工業大学 工学研究科 電気電子工学専攻)
    河上章太郎 (金沢工業大学工学研究科電気電子工学専攻)
    佐藤拓磨 (金沢工業大学)
    加藤樹里 (金沢工業大学)
    柏端達也 (慶應義塾大学)
    三浦俊彦 (東京大学)
    久保田進一 (金沢大学)
    柴田正良 (金沢大学)
    本稿ではまず,ロボットが人間と共生するためには,ロボットは道徳的な行為主体であり,そのためには,ロボットが代替不可能性を持つ必要があり,それはとりもなおさずロボットが<個性>を持つことである,ということを論じる.このテーゼに基づき,ロボットと人間が身体的に同調するようなインタラクション(身体的調整運動タスク)により,ロボットが道徳的主体であると人間が判断することに影響があるかどうかを調べる実験を構築する.
  • sP2-19
    松本一樹 (東京大学教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学教育学研究科情報学環)
    芸術鑑賞における認知過程は包括的なモデル化が試みられている.本研究では,その中でも創作プロセスの認識という近年注目され始めた要素について,それが美的印象やその他の認知要素とどのような関係性にあるか,介入(創作経験)を通じて間接的に,心理尺度と発話データを用いて検討した.その結果,創作経験は作品の種類にかかわらず美的印象を促進する効果を持ち,かつその過程の中で創作プロセスの認識が重要な役割を果たしている可能性が示された.
  • sP2-37
    新美亮輔 (新潟大学人文学部)
    物体の擬人的知覚とその要因を実験的に検討した。実験参加者が擬人的に評価した車とイスの年齢や性別は,物体の色の彩度や,その物体を使用していそうな人の知識などに関連していた。さらに,物体のデザイン特性語・パーソナリティ特性語による評定を行ったところ,これらも擬人的知覚に関連していた。また,パーソナリティ特性は物体の主観的好ましさにも関連していた。擬人的知覚は,高次の視覚物体認識のさまざまな側面に関わっていることが示唆された。
  • sP2-38
    田中大介 (鳥取大学地域学部)
    水姓由薫 (鳥取大学地域学部)
    課題遂行時における経過時間の主観的ゆがみを実験的に検討した。具体的には計算課題の難易度を操作して課題の認知負荷を変えるのとともに,実験協力者が遂行した課題を面白いと感じたかどうかを参加者間要因の独立変数とした.結果,課題の難易度が高まる事で時間は速く流れるように感じられる事が明らかとなり,難しい課題の場合はそれを面白いと感じた人はより時間の流れを速く感じること,一方で簡単な課題の場合は,それと反対に感じられている可能性が示唆された.
  • sP2-39
    小野淳平 (菅原学園 専門学校デジタルアーツ仙台)
    小方孝 (岩手県立大学)
    ストーリーを作る際に,読み手の予想を外れることにより,ストーリーの印象を強める方法がある.筆者らが提案するギャップ技法はストーリーにギャップを与え,ギャップにより読み手に驚きを与える.本稿では,二つのギャップ技法の使用方法を検討する.一つは統合物語生成システムのためのギャップ技法の使用方法である.もう一つはストーリーの要素を定義する世界設定に変化する方法である.二つの方法により筆者らは物語自動生成ゲームにおけるストーリー生成を拡張する.