日程

オーガナイズドセッション12 (OS12)

心を揺さぶる,社会を動かすエージェント科学の最先端
8月31日(金) 16:00 - 18:30
会場:A棟2F AS252
オーガナイザー:高橋英之(大阪大学),大澤博隆(筑波大学),日永田智絵(電気通信大学),渡辺美紀(大阪大学)
  • OS12-1
    招待講演
    白土寛和 (イエール大学)
    社会的ネットワークの中で、どのように個人が集団の協調行動を向上させることができるかを調べた。4000人ほどの実験参加者を、ボットとともに社会的ネットワークに埋め込み、オンライン上で 協調行動のゲームをさせた。その上で、ボットのランダムな振る舞いの度合いとそのネットワーク内の位置を操作した。その結果、ボットがある程度のランダムに振る舞うことで、集団の協調行動が全体最適に至ることがわかった。
  • OS12-2
    招待講演
    森川幸治 (パナソニック)
    これまでユーザと機器の関係は、主にユーザの機器操作によって成立していたが、操作なしで機器側に意図や状態が伝われば、より幅広い関係が構築可能である。 本講演では、脳波を始めとする生体信号解析によって、ユーザの認知状態、例えば操作意思、聞こえや見やすさ等の感覚、興味、などが推定できる可能性があることを示す。これらを通して、日常生活における生体信号計測の有用性、実現可能性について議論したい。
  • OS12-3
    公募発表
    森田純哉 (静岡大学情報学部)
    長島一真 (静岡大学情報学部)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では、ACT-Rと3Dゲームエンジンがサーバを介して結合する階層的アーキテクチャを構築し,環境探索を行うエージェントを構築した.結果,認知モデルのパラメータによる行動の差異,脳と身体の結合に関わるエラーなどの現象を出現させた.これらより、3D空間における人間を模倣するエージェントの構築において、認知モデリングの手法を適用することが有用であることが示唆された.
  • OS12-4
    公募発表
    入江諒 (金沢工業大学 工学研究科 電気電子工学専攻)
    金野武司 (金沢工業大学工学部電気電子工学科)
    人とエージェントの自然な身体的コミュニケーションの成立には,二者間の動きのダイナミクスが重要な鍵を握る.特にリーダー・フォロワーといった役割の交代=ターンテイキングが,相手に人らしさを感じさせる大きな要因になると考えられる.本研究では円図形を介した二者間の視覚的インタラクション実験と,ターンテイキングの特徴を取り出す指標の作成を通じて,相手を人であると判断する要因は,相手との同調傾向を前提としたターンテイキングにあることを明らかにする.
  • OS12-5
    公募発表
    坂本孝丈 (静岡大学創造科学技術大学院)
    吉岡源太 (静岡大学創造科学技術大学院)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では,コミュニケーションの初期段階におけるインタラクションのモデルを提案し,実際の人の接近行動についてシミュレーションを通して検討を行った.具体的には,人の話かけ場面の行動を観察する実験のデータを分析し,提案モデルによる接近行動の再現を試みた.参加者は相手の正面方向を回避しながら接近する行動を示しており,これは接近行動に対して示される相手の反応において,相手の内部状態が明示化されやすい状況をつくるためである可能性が示唆された.
  • OS12-6
    公募発表
    齋藤利樹 (筑波大学)
    大澤博隆 (筑波大学)
    本研究では身体の一部を擬人化し、エージェント化することによってユーザの行動と認知がどのように影響を受けるか評価した。手の甲にface scaleに基づいた顔のイラストを投影することで擬人化を促進するデバイスを作成し、手を擬人化し、物体を移動させるタスクを行わせ、目や口の投影条件(エージェント化)、爆弾の投影条件(感情変化)メーター条件(情報変化)のそれぞれを比較し、ユーザーの動きと認知の変化を調べた。
  • OS12-7
    公募発表
    日永田智絵 (電気通信大学)
    長井隆行 (電気通信大学)
    一般にサービスを提供する場合には,顧客に対する「おもてなしの心」が重要であると言われる.「おもてなしの心」は他者モデルに大きく関わっているため,サービスロボットにも他者モデルが求められると考えるのが,最も単純で直観的であるが,そもそも他者モデル自体が十分に解明されておらず,それをどのように実現できるかが分からない. 本稿では,筆者らの他者モデルに関連する研究を概観しつつ,サービスロボットと他者モデルの関係を整理したい.
  • OS12-8
    パネルディスカッション
    高橋英之 (全員)
    心を揺さぶり,社会を動かすエージェントの設計論について,心理学や神経科学,認知科学などの基礎的な知見の現状と,それらの知見がどのように現実的な形で産業応用に結びつくのかについて,参加者やフロアを交えて議論を行う.