日程

オーガナイズドセッション10 (OS10)

記号接地問題
8月31日(金) 16:00 - 18:30
会場:A棟2F AC232
オーガナイザー:今井むつみ(慶應義塾大学),佐治伸郎(鎌倉女子大学)
  • OS10-1
    幼児における色語彙システム構築から考える記号接地問題
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    招待講演
    今井むつみ (慶應義塾大学)
    子どもは何に頼って最初の語を当該の意味領域に接地し、どのように語彙システムを構築していくのだろうか。本発表では子どもが最初の色語を色に接地させ、その後さらに語を色語彙に追加し語彙の再構造化を繰り返しながら、色語彙システムを構築していく過程を検討した縦断研究の結果を提示し、そこから記号接地問題を考察する。
  • OS10-2
    招待講演
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    記号接地問題において、最大の問題の一つは、地(Ground)あるいは非地とは何かという問題である。本研究では、情報の伝達経路における変換に拠らず推論が可能な性質を、地の候補として提案する。異なる2時点の複数の点の同一性を論じることで、視覚的オブジェクトの一種が変換群の可換性により特徴づけられることを示す。これにより単に“感覚器を通した情報を地”とするナイーブな議論を超えた地の定式化を論じる。
  • OS10-3
    招待講演
    大槻美佳 (北海道大学)
    山ノ井高洋 (北海学園大学)
    各種感覚情報は、従来、段階を追って処理され、最終的に概念(意味野)に到達し、言語や行為などの反応が引き出されると推測されていた。しかし、昨今の知見では、感覚情報処理は、処理の初期段階から、既に、対象のカテゴリー化や意味野の賦活が開始されていることが推測されている。本発表では、脳損傷によって、言語機能の‘壊れ方’にどのようなパターンがあり得るのかを検討し、記号接地問題に関わる問題を考察する。
  • OS10-4
    招待講演
    谷口忠大 (立命館大学)
    認知システム内のアモーダルな記号表現を暗黙的に所与とした記号接地問題は設問自体が適切な解のの存在しない問題であり、それを問いとして議論を開始すること自体に問題がある。本講演では記号創発システム、及び、記号創発問題について指摘し、認知と社会両方を包括する現実的な記号接地の方向について論じる。また,そのような問題に対する構成論的な議論の萌芽として、記号創発ロボティクスの取り組みに関して概説する。
  • OS10-5
    招待講演
    佐治伸郎 (鎌倉女子大学)
    本発表では、記号接地問題が言語習得研究に何をもたらしたかを整理したうえで、その現代的な意義を再考する。特に記号習得・意味習得の観点から意味の共有感覚の問題を中心に議論する. 記号形式が間主観的な意味に接地するためには、我々が記号以前に他者と意味の共有感覚を得る術をどのように持つかを捉えなければならない。この共有感覚を得る際に我々が用いる道具立てを整理しそれぞれが記号接地にどのように寄与するかを考える。
  • OS10-6
    招待講演
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    記号接地は、一人称性・文脈依存性の強い経験に直接結びつくproto記号から、一人称性を持ちつつ抽象化され、構造と意味を繋ぐシステムとしての言語における構造構築の操作対象になることとと考える。また言語システムは、類似性・随伴性に基づく拡張、構造を通した新しい概念構築により、直接経験から離れつつ独自の意味を創造する脱接地を可能にする。本発表ではこの接地・脱接地を進化と脳構造の観点から議論したい。
  • OS10-7
    パネルディスカッション:記号接地問題
    ※大会ホームページでの公開が許可されていません
    パネルディスカッション
    今井むつみ (慶應義塾大学)
    日髙昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    大槻美佳 (北海道大学)
    谷口忠大 (立命館大学)
    佐治伸郎 (鎌倉女子大学)
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    記号接地問題に対する立場は研究分野やアプローチの仕方により多様であるが、その多様な研究者が一堂に会し充分な議論を交わすことができる場は多くはない。パネルディスカッションではディスカッションはフロアを交えたラウンドテーブルのような形式にし、それぞれの研究者が考える「記号接地問題」とは何か、何が未解決の問題なのかを具体的テーマを設定しそれぞれの考え方を重ねることで聴衆に有益な情報を提供したい。