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文法

  • OS04-3
    榎本美香 (東京工科大学)
    高梨克也 (京都大学)
    本研究では、現場指示の「これ」と「それ」のフィールド場面における使用をみる。野沢温泉道祖神祭りの準備活動6年分を対象とし、以下の3点を事例により示す。(1)話し手と聞き手が同一の共同行為に従事しているときには「これ」、(2)話し手が聞き手が異なる行為に従事しており、聞き手の操作する対象物は「それ」、(3)同一作業中に複数の参照物があるときには、話し手と聞き手と対象物との相対的距離によって「それ」と「これ」が使われる。
  • OS14-3I
    依頼講演
    小野創 (津田塾大学)
    世界の言語の中で類型的に大多数を占めるSO言語(主語が目的語に先行する言語)では、目的語が主語に先行する語順で文が呈示された場合に処理負荷が増えることが観察されている。台湾の先住民族の言語の一つであるタロコ語(オースロトネシア語族)は、SVO語順に加えてVOS語順も可能であり、VOS語順が統語的基本語順とされている。タロコ語のようなOS言語(目的語が主語に先行する言語)において、どのような語順に対する選好性が見られるのかを調べることは、人間言語の文理解における処理負荷がどこまで言語システムの特性なのか、それともより一般的な認知特性によるものなのかを明らかにする上で非常に興味深い。
  • P2-49
    程莉 ((中国)武漢大学)
    この発表では現代日本語共通語と現代中国語共通語の修飾構造における重複について,その自然さ~不自然さを文法的な観点から検討する.重複が必ずしも不自然なものではなく,名詞修飾型の重複の場合は「関係節の制限的用法か非制限的用法か」と「“这些”と「これら」の共起制限の違い」といった要因,また,動詞修飾型の重複の場合は「合成的表現の不透明性」と「スキャニング認知結果の利用の制限」といった要因によって自然さを変えることを具体的に示す.