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文化人類学

  • OS06-2
    松浦李恵 (慶應義塾大学)
    趣味としての「コスプレ」にみられる自宅での衣装製作場面を対象とし,その活動を行う中で交わされる家族との会話の特徴や,さまざまな人工物とのインタラクションについて,ビデオカメラとリフレクションインタビューを用いて調査し,分析を行った.その結果,趣味の活動を家の中で円滑に行うということは,個人の動機や欲求の問題だけに還元できるものではなく,環境を構成する人工物や他者とのインタラクションのもとで実現していることがわかった.
  • OS16-2
    阿部廣二 (早稲田大学大学院人間科学研究科)
    野沢温泉道祖神祭りの準備活動において問題が発見されていく過程の相互行為を分析した。分析対象は、祭りの「初灯籠」作りにおいて、灯籠の柱を切りするという問題であった。分析の結果、(1)一度問題への気付きが得られた後に、再度問題の確認を行うというシークエンスと、(2)以上のシークエンスを通して参与者らに問題の気付きが共有されたにも関わらず、アジェンダ設定を保留するということが行われていたことが見出された。
  • OS16-5
    高梨克也 (京都大学大学院情報学研究科)
    本稿では,北信州野沢温泉の道祖神祭りのための社殿組み作業の一部である,鳶口を使った「木遣り」の協働作業を対象に,そのビデオデータを微視的に分析することを通じて,各行為主体の身体行動上の特徴に見られる環境のアフォーダンスとの関わりという側面とこうした身体行動を相手と協調させる相互行為としての側面とがいかにして統合されているかを記述的に解明していく.
  • P2-10
    青山征彦 (成城大学社会イノベーション学部)
    学びや実践がどのような基盤に支えられているかについて、レジンアクセサリーの制作を趣味としている女性のインタヴューを、野火的活動という観点から分析した。その結果、宇宙塗りという技法がテンプレートとなって、実践に参入しやすくなっていること、ハンドメイドについての予備的な知識を持っていることが参入を助けていること、制作には100円ショップが、実践に意味を与えるにはイベントが重要な意味を持っていることが明らかになった。