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相互作用

  • O2-1
    白水始 (東京大学CoREF)
    中山隆弘 (東京大学CoREF)
    齊藤萌木 (東京大学CoREF)
    飯窪真也 (東京大学CoREF)
    水野美沙 (富士通株式会社)
    大島喜芳 (富士通株式会社)
    成田秀夫 (河合塾)
    子供の学びを認知的に分析し,次の授業デザインに繋げる継続的な授業改善の力量向上が学校現場に求められているため,本研究は,クラス全体の学習遷移の機械的分析と学習者個人の事例的プロセス分析を融合する評価手法を提案した.現代国語の知識構成型ジグソー法授業二回分の全学習者の全発話・記述を対象に,各時点でのことばの新規性をパタンマッチで分析し,他者からの取り込みを同定して,そこに至る理解プロセスを解明することに成功した.
  • O2-4
    西中美和 (総合研究大学院大学)
    白肌邦生 (北陸先端科学技術大学院大学)
    神田陽治 (北陸先端科学技術大学院大学)
    本稿においては,実験的ワークショップ授業を事例にとり,定量および定性調査と分析を行った.その結果より,自然発生した触媒的参与者の集団機能に焦点を当て,それが意識的ではない主導的機能として働き,他の集団機能に働きかけ,集団のアウトプットに自分の意思を反映させるという影響力を考察した.また,暗黙的な影響力の行使を行う触媒的機能は主導的機能であると定義した.
  • OS04-2
    細馬宏通 (滋賀県立大学)
    多人数が一つのゴールを目指して共同作業を達成しようとするとき、各メンバーの動作のタイミングをいかに調整するかが重要になる。本稿では、北信州の野沢温泉村で行われる道祖神祭りにおいて、多人数が巨木を移動させる「里曳き」場面を観察対象とし、指揮者とメンバーによって発せられた掛け声がどのような身体動作と同調しているか、それが年々どのように変遷し、声と身体の時間構造にはどのような規則性と変異があるかを明らかにする。
  • OS04-3
    榎本美香 (東京工科大学)
    高梨克也 (京都大学)
    本研究では、現場指示の「これ」と「それ」のフィールド場面における使用をみる。野沢温泉道祖神祭りの準備活動6年分を対象とし、以下の3点を事例により示す。(1)話し手と聞き手が同一の共同行為に従事しているときには「これ」、(2)話し手が聞き手が異なる行為に従事しており、聞き手の操作する対象物は「それ」、(3)同一作業中に複数の参照物があるときには、話し手と聞き手と対象物との相対的距離によって「それ」と「これ」が使われる。
  • OS04-4
    西田紘子 (九州大学大学院芸術工学研究院)
    横森大輔 (九州大学大学院言語文化研究院)
     本発表は,プロおよびアマチュア音楽家による練習活動におけるメタファー表現について考察する.音楽の理論的・分析的言説に照準した先行研究や,指導の場を対象とした逸話的研究とは異なり,本研究は,室内楽集団の相互行為に特有のメタファーを明らかにする.5団体による約33時間の録画データに基づき,慣用的なものを除くメタファー表現の事例候補を240件集め,ターゲット領域・ソース領域および身体動作の傾向を特定した.
  • OS04-6
    南部美砂子 (公立はこだて未来大学)
    福島由佳 (NECネッツエスアイ)
    ジャニヲタと呼ばれるアイドルファンを対象とした質問紙調査とインデプスインタビューにより,彼女たちのソーシャルメディアユーザとしての実態や,心理・社会的特性について検討した.とくに友だちづくりのための独自の情報環境デザインと,それにともなう社会文化的な学習のプロセスに注目して分析を行った結果,彼女たちはソーシャルメディアを活用して主体的にファン活動や他者との関係性を最適化していることが明らかになった.
  • OS04-8
    名塩征史 (静岡大学)
    本研究では、統率された枠組みの中で行われる空手の基本動作の練習場面を取り上げ,そうした統率を自らその場に要請しながらも,その統率の枠を超えて自由に動き,各練習生が抱える問題に個別に対応する師範の指導行為を分析・記述する.また、この教授と練習の場が,師範−指導者−練習生の多様な組み替えと重複を含む三者間相互行為によって共創される様相を具体的な事例をもって示す。
  • OS06-1I
    依頼講演
    細馬宏通 (滋賀県立大学)
    Rock, Paper, Scissors is a not only a competitive game for winning and losing, but also a collaborative work for participants to synchronize their hand movements. In the last stroke that delivers Rock, Paper, Scissors, "releaseing too late (ato-dashi)" is forbidden, and participants must stroke each other's hands simultaneously with a shout. In spite of this difficulty, most participants can achieve synchronization without arranging how and when to swing fists together. In this presentation, we will discuss how participants accomplish synchronization with clues in just a few seconds, and what kind of improvised interaction is working there.
  • OS11-6
    坂本孝丈 (静岡大学創造科学技術大学院)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究は,コミュニケーションの初期段階における関係の調整の側面に注目し,このプロセスを明らかにすることを目的とする.初期段階におけるインタラクションは,自身の内的状態と対象の内的状態の組み合わせによりパターンが決定すると考えられる.そこで内部状態を表現するモデルを提案し,2つのパラメータの値に応じた行動をGAにより仮想エージェントに獲得させた.結果としてパラメータが取る値の違いにより各内部状態に応じた行動が表現できることが示された.
  • OS11-7
    伴碧 (同志社大学)
    高橋英之 (大阪大学)
    幼児期の子どもは,ロボットをしばしば生物として認識してしまう。その理由として,ロボットに顔(目)といったように人間的特徴が付与されていることが挙げられる。そこで本研究では,人間的特徴が付与されていないロボットとのリズム相互作用によって,幼児が生き物らしさを感じるか検討を行った。その結果,リズム相互作用後幼児はロボットの描画に目を付与する傾向が高いことが示された。つまり,リズム相互作用は生き物らしさを感じさせる一因となることが示唆された。
  • OS11-8
    岡夏樹 (京都工芸繊維大学)
    塚本亜美 (京都工芸繊維大学)
    寺岡弘貴 (京都工芸繊維大学)
    鶴田穣士 (京都工芸繊維大学)
    廣田敦士 (京都工芸繊維大学)
    早川博章 (京都工芸繊維大学)
    市川淳 (京都工芸繊維大学)
    田中一晶 (京都工芸繊維大学)
    長井隆行 (電気通信大学)
    大森隆司 (玉川大学)
    子どもたちの身体表現活動の場にロボットを導入することにより、子どもたちの主体性や成長の可能性を引き出すことを目指す。手始めに、リカレントネットワークを用いて、未知パターンに対する創発的な反応を観察できたので報告する。今後はさらに、内発的動機づけを付加し、ロボットに実装することにより、身体表現活動の場の様子に応じた適切な動作(主体的な動きに対してはそれを支持し、逆に受け身の動きに対しては自らが新たな刺激を生み出す)を可能にする計画である。
  • OS11-12I
    依頼講演
    西脇裕作 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    吉見健太 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    岡田美智男 (豊橋技術科学大学 情報・知能工学系)
    「誰が来るの?」この質問はどう引き出せるだろうか.ロボットは人に情報を正しく効率よく伝えることを求められてきたため,その話はわかりやすく「うんうん」と聞いていられる.しかしそれはある意味一方的であり,人からの関わりを引き出そうとするときにはこれまでの完結した発話をやめて,少し不完結な発話をしてもいいかもしれない.本研究は〈弱いロボット〉の概念を援用し,ロボットの発話に不完結さを備えさせ,人を対話に引き込む方略について議論する.
  • OS11-13I
    依頼講演
    岡田美智男 (豊橋技術科学大学)
    「どこか不完全なのだけれど,なんだかかわいい,放っておけない……」というような感覚を抱かせる〈弱いロボット〉に着目し,こうした他者との関係を指向するソーシャルなロボットと人とのコミュニケーションや関係形成に関する研究を進めてきた.本発表では,筆者らの構築を進める〈弱いロボット〉と人とのインタラクションの事例をいくつか取り上げ,人とロボットとの「持ちつ持たれつの関係構築」に向けたアプローチについて検討する.
  • OS11-14
    内田貴久 (大阪大学,JST ERATO)
    高橋英之 (大阪大学,JST ERATO)
    伴碧 (同志社大学)
    島谷二郎 (大阪大学,JST ERATO)
    吉川雄一郎 (大阪大学,JST ERATO)
    石黒浩 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    本稿では,人間とアンドロイド,小型ロボットを傾聴者とした際,被験者の自己開示態度がどのように変化するかを調査した.その結果,ロボットは人間と同程度の自己開示に関する発話を引き出すことが可能であることが示唆された.さらに,自己開示項目に関して,ロボットはネガティブな内容に関する自己開示を引き出しやすく,その中でも特に,人間に比べて情緒的側面に関する自己開示を引き出しやすい傾向が示された.
  • OS11-15
    熊崎博一 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    吉川雄一郎 (大阪大学大学院基礎工学研究科)
    松本吉央 (産業技術総合研究所ロボットイノベーション研究センター )
    石黒浩 (大阪大学基礎工学研究科, JST ERATO)
    宮尾益知 (どんぐり発達クリニック)
    三邉義雄 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    菊知充 (金沢大学子どものこころの発達研究センター)
    自閉スペクトラム症(Autism Spectrum Disorder: ASD)者にとって就職面接は社会参加への大きな障壁になっており、ASD者への就職面接支援は喫緊の課題となっている。我々はアンドロイドを介した模擬就職面接を設定し、その効果と課題について検討した。5日間という短い期間ではあったが、アンドロイド面接群において経過の中で就職面接に対する自信が改善傾向にある方が多数いることを示した。
  • OS12-1
    清水大地 (東京大学大学院教育学研究科)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科・情報学環)
    ダンスなどの舞台表現では,共演者や観客といった様々な要素間での相互作用が営まれる.我々は,共演者との相互作用について,ブレイクダンスのバトル場面を対象とし,距離を用いた検討を行っている.本研究では,特に各熟達者が有する独創的な相互作用の方略の抽出を目指し,清水・岡田(2017)のデータについて再分析を行った.結果として,熟達者によって異なる一定の距離をとること,距離を変化させるタイミングが異なること,などの多様な側面の差異が示唆された.
  • OS12-2
    中野優子 (東京大学大学院学際情報学府)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科,情報学環)
    本研究では自分のこれまでに築いてきた価値観では捉えられないような「異質な」芸術作品と,身体を積極的に利用して表現を創るという方法で関わる(鑑賞する)という教育プログラムを現役の芸術家と著者らが協働でデザイン・実施し,それによりもたらされた教育効果を触発という観点から参加者の心理的変化に着目して検討した.結果として,身体を積極的に利用して表現を創るという教育プログラムは参加者の触発を引き起こし,より深い鑑賞体験をもたらした.
  • OS12-3
    山田雅敏 (常葉大学)
    里大輔 (SATO SPEED Inc.)
    坂本勝信 (常葉大学)
    砂子岳彦 (常葉大学)
    竹内勇剛 (静岡大学創造科学技術大学院)
    本研究では,コーチングにおける集団語が,ラグビー高校日本代表選手の身体意識へシンボルグラウンディングしていく認知的過程を解明することを目的とする.その結果,起き上がりの動作と走る準備の意識に関する集団語の分類は,指導された内容に影響を受けていることが示された.また,起き上がりと集まる動作に関する集団語に強い関係が明らかとなり,さらに,集団語の内容がチームレベルの場合、意識と動作では認知的過程に差異がある可能性が示唆された。
  • OS12-4I
    依頼講演
    藤井慶輔 (理化学研究所 革新知能統合研究センター)
    本発表では主体が対象を解釈し、意思決定などを行う認知過程について、文脈(ルール)が明確で複雑な社会的相互作用を行う集団スポーツを例に挙げながら話を進める。この認知過程について、現象の主体からの視点と、主体から離れた観測者からの視点に分類する。本発表ではまず単純な二者の攻防における問題を紹介し、二集団の攻防について、選手の認知過程と、非線形力学系として観測者が認知する過程について説明する。最後に両者の融合的な観点から議論する。
  • OS13-2
    田中孝治 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学系)
    尹明睿 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学系)
    堀雅洋 (関西大学総合情報学部)
    浜崎優子 (佛教大学保健医療技術学部)
    殿山範子 (金沢医科大学看護学部(現 純真学園大学保健医療学部))
    池田満 (北陸先端科学技術大学院大学知識科学系)
    超高齢化社会の日本において,高齢住民はサポート受容者であると同時に,サポート提供者としての役割を担うことを求められる.本研究では, 住民同士が見守りを行うための地図を作る現行のコミュニティ活動と親和性の高い高齢者共助マップ共創システムを開発し,高齢者コミュニティに導入・運用することで,共助意識の啓発支援を目指している.本稿では,現行の紙地図から電子機器への媒体の変化が,参加者のどのような共助意識を明確化したのかについて検討を加える.
  • OS13-3
    田中伸之輔 (筑波大学大学院人間総合科学研究科)
    原田悦子 (筑波大学人間系)
    新奇な人工物の利用をためらう行動である“怖がり”が,加齢に伴い増大し,高齢者の人工物利用困難を招くことが指摘されてきた(田中・原田2015;2017).本研究では,怖がりの発生が人工物の特性によって異なるか否かを検討するため,新たに調理機器2種で怖がりを分析,比較を試みた.その結果,身体的リスクならびに自動性は怖がり発生に寄与せず,先行研究で示されたブラックボックス性,利用目的の複数性こそが怖がり発生に関わっていると示唆された。
  • OS16-3I
    依頼講演
    南保輔 (成城大学文芸学部)
     ひとのアイデンティティを私的—公的,社会的—個人的という2軸で類型化したうえで,本人視点の私的社会的アイデンティティについてのインタヴュー調査データを検討した.他者との異同や相互行為場面における快適さが,アイデンティティ選択の基底にあることを指摘した.公的アイデンティティには一瞥的側面があるが,この分野の研究はあまり蓄積がない.最後に,アイデンティティの4類型と認知科学との関係の現状と将来について論じた.
  • OS16-4
    天谷晴香 (国立国語研究所)
    他者への化粧行為において,行為者は予想外の出来の悪さに悩まされる.素人の行為者が自分の母親に化粧をしているデータから,試行錯誤や偶然のチャンスを通じて,望ましくない出来を回復していく事例を分析する.途中,出来について被行為者に伝達できない様子や,あるきっかけで回復への糸口が見つかる瞬間が分析によって明らかにされた.この事例を用いて,複合活動における会話と行為の境界の不一致と,行為者による境界の調整について論じる.
  • OS16-5
    高梨克也 (京都大学大学院情報学研究科)
    本稿では,北信州野沢温泉の道祖神祭りのための社殿組み作業の一部である,鳶口を使った「木遣り」の協働作業を対象に,そのビデオデータを微視的に分析することを通じて,各行為主体の身体行動上の特徴に見られる環境のアフォーダンスとの関わりという側面とこうした身体行動を相手と協調させる相互行為としての側面とがいかにして統合されているかを記述的に解明していく.
  • OS16-6
    西澤弘行 (常磐大学 人間科学部 コミュニケーション学科)
    坂井田瑠衣 (日本学術振興会/慶應義塾大学環境情報学部)
    川嶋明子 (西武学園医学技術専門学校 東京池袋校 言語聴覚学科)
    失語症のある人の生活場面をエスノメソドロジー・会話分析の立場から観察・分析し,行為と間主観的理解が協働的に達成されていることを,次の4つの現象に注目して示す:1)副詞(+身振り)の単独での使用,2)(反応の遅延「う::ん」+)「まあね」の使用,3)連鎖を閉じる笑い,4)理解を適切な位置で示すこと.このことを観察可能なデータとして見出すことが可能であることが,EMCAと認知科学の接点として重要である.
  • OS16-7
    寺岡丈博 (東京工科大学メディア学部)
    伝康晴 (千葉大学大学院人文科学研究院)
    榎本美香 (東京工科大学メディア学部)
    本研究では,野沢温泉村で受け継がれてきた湯澤神社例祭の神楽の一つ,猿田彦の舞について分析する.拍子方による囃子の旋律や舞の型は決まっているが,毎回時間的に一定ではなく,特に舞の序盤と終盤ではテンポが変化している.それにも関わらず,「返し」と呼ばれる囃子の区切りでは笛と太鼓の出だしが一致する.ここでは,拍子方における相互行為の分析を通じて,動的に変化するテンポや状況の下でどのように認知された上で対処されているのかを明らかにする.
  • OS16-8
    坂井田瑠衣 (日本学術振興会/慶應義塾大学環境情報学部)
    西澤弘行 (常磐大学人間科学部)
    南保輔 (成城大学文芸学部)
    本発表では,視覚障害者に対する歩行訓練場面の相互行為を観察し,視覚障害者と晴眼者の間に知覚の不均衡が存在する状態において,いかにして双方の認識が擦り合わせられるのかを考察する.歩行訓練士が行う環境の説明に対し,視覚障害者がその説明内容 (の一部) を「わかっている」ことを示すことで,両者の認識が摺り合わせられていく.これにより,利用可能な知覚モダリティの異なる人々の知覚体験が共有され,知覚の不均衡を越えた相互理解が達成される.
  • OS17-5
    遠山紗矢香 (静岡大学)
    プログラミングが教科に対する理解を深めるとされる主張が注目されてきたが,いかに用いれば理解深化を促すことができるかは不明点が多い. そこで本研究では,プログラミングを用いて小学5年生が算数の正多角形について理解を深めることを目指したワークショップを実施し児童の学習過程を質的に分析した. その結果,プログラミングと協調学習の組み合わせにより,学習者は対象をモデル的に捉えるようになる可能性が示された.
  • OS18-6I
    依頼講演
    廣田章光 (近畿大学)
    問題解決に注目した研究に対して、近年、問題が明確でない状況におけるイノベーションの発生が示されている(石井1993,2009,2014, Lester and Piore 2004,Von Hippel and Von Krogh 2016)。本研究は問題が明確でない状況におけるイノベーションを取り扱う。 スーパートップアスリート向けの製品開発事例を通じて、 開発焦点の収束と拡散の要因を考察し、価値創造との関連を考察した。 さらに、ユーザー、開発者、ユーザーと開発者の3つの対話の存在を指摘した。同時に、それらの対話における開発焦点の同期が収束に、非同期が拡散につながることを提示した。
  • P1-8F
    入江諒 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    金野武司 (金沢工業大学 工学部 電子情報通信工学科)
    人は他者の「人らしい動き」をどのような特徴から読み取っているのだろうか.本研究では,仮想的なオブジェクトを介して他者(人または計算機)と視覚的にインタラクションする実験を設計した.その結果,人どうしでのオブジェクトの運動には同調傾向が現れ,相関係数として定量化できることを確認した.ただし,動作パターンおよびアンケートの分析から,人らしい動きの評価には相関係数は不十分であり,ターンテイキングの定量的な評価が必要であることを我々は指摘する.
  • P1-14F
    森田純哉 (静岡大学)
    金野武司 (金沢工業大学)
    奥田次郎 (京都産業大学)
    鮫島和行 (玉川大学)
    李冠宏 (北陸先端科学技術大学院大学)
    藤原正幸 (北陸先端科学技術大学院大学)
    橋本敬 (北陸先端科学技術大学院大学)
    本研究は,コミュニケーションシステムの共有に関与する認知プロセスをシミュレーションによって検討する.構築したモデルには,明示的に他者を模倣する戦略に加え,自他の記憶が非明示的に混在するプロセスを組み入れた.シミュレーションの結果,後者のプロセスを組み入れることで,明示的な模倣を行わずとも,二者間で共通のコミュニケーションシステムが生成されることが確かめられた.
  • P1-16F
    鮫島和行 (玉川大学脳科学研究所)
    村井千寿子 (精華女子短期大学)
    島田将喜 (帝京科学大学)
    動物訓練場面において、社会的シグナル交換の相互学習の存在を検証するために、サル訓練場面の動作、訓練戦略と音声発話分析を行った。動物は多様な動作を初期に行い、目標行動を獲得するに応じて、人も初期には多様な指令・結果返還を用いるが、より少ない単純化された発話や動作のみが残った。結果から示唆される社会的信号の相互学習の心理機構を知ることは、ヒト間で行われている意思疎通の共通原理解明の糸口、および人と意思疎通する機械の基礎技術となる。
  • P1-21F
    沼口裕太 (慶應義塾大学環境情報学部)
    諏訪正樹 (慶應義塾大学環境情報学部)
    坂井田瑠衣 ( 日本学術振興会/慶應義塾大学環境情報学部)
    本研究は第一筆者がマルチタスクとして複数の品目を作る調理行動を行い、それを対象にマイクロスリップを分析する。 調理行動は作る品目である目的に関して上位行為・下位行為の階層構造にわけることができ、それぞれの継ぎ目で現れるマイクロスリップの数を数えた。 結果として目的の継ぎ目でのマイクロスリップの数が多いことから、マルチタスクではタスク間の替わり目にマイクロスリップが発生しやすいことがわかった。
  • P1-27F
    山本寛樹 (京都大学大学院文学研究科)
    佐藤徳 (富山大学人間発達科学部)
    板倉昭二 (京都大学大学院文学研究科)
    歩行獲得によって乳児の視野にはより遠い位置が映り、乳児はより遠い物体を探索するようになる。このような歩行獲得に伴う遠方への探索傾向が社会的場面でもみられるのかを検討するため、日常場面での母子間の視線交渉が生じた距離を歩行獲得の前後で比較した。7組の母子を対象に、乳児が生後10-16か月の間、縦断的参与観察を行った。視線交渉が生じる母子間距離は歩行獲得の前後で変わらず、歩行獲得後の遠方への探索傾向は物理的場面に限定されることを示した。
  • P1-29F
    福田将人 (慶応義塾大学)
    諏訪正樹 (慶応義塾大学)
    人間にとって「食」は非常に豊かな「体験」であり、「食体験」は様々なものごと(変数)で彩られている。本研究は第一著者の生活上での体験をもとに、「豊かな食体験」とは如何なるものごとかを一人称研究[4]として探究することである。生活領域の「食における身体性」を探るため、食体験はどのような変数で彩られており、それに留意できた時どのような体感、そして解釈/意味付けが得られるのかを詳細に探究する。
  • P1-33F
    鈴木紀子 (帝塚山大学)
    今城真由香 (同志社大学)
    正田悠 (立命館大学)
    阪田真己子 (同志社大学)
    伊藤紀子 (同志社大学)
    山本倫也 (関西学院大学)
    筆者らは、直接対面型のインタラクションにおいて、参加人数の違いがインタラクションに与える影響に着目している。本稿では、家具組立課題を題材とし、参加人数を1 名・2 名・5 名に変化させた場合における課題の成否および課題終了時間に与える影響を調べた。さらに、参加者と組立に用いる材料とのインタラクションに焦点を当て、参加人数の違いが参加者の作業負荷に与える影響について比較検討を行なった結果について報告する。
  • P1-34F
    齋藤ひとみ (愛知教育大学)
    梅本崚太郎 (愛知教育大学)
    高橋芳奈 (愛知教育大学)
    野々垣真帆 (愛知教育大学)
    林穂波 (愛知教育大学)
    村上律子 (愛知教育大学)
    森岡優樹 (愛知教育大学)
    安田成 (愛知教育大学)
    本研究では,音のインタラクションにおけるエージェンシー認知の誘発要因について検討する.齋藤・中野(2016)では,エージェンシー認知については条件間に有意な差は確認できなかったが,意図ありの方が相手の音を真似るコピーチャンクや特定の音を鳴らしあうメロディチャンクの数が多い傾向にあることが明らかになった.本研究では,先行研究の問題点に基づき,実験システムを修正した.本論文では,実験の途中経過について報告する.
  • P1-35F
    正田悠 (立命館大学総合科学技術研究機構)
    鈴木紀子 (帝塚山大学経営学部)
    阪田真己子 (同志社大学文化情報学部)
    伊坂忠夫 (立命館大学スポーツ健康科学部)
    多人数インタラクションの心理的・生理的基盤を探究するため,1人,2人,3人でドラムを叩きあう実験を実施し,そのときの心拍を測定した。その結果,1人条件にくらべ3人条件において,心拍数ならびに交感神経-副交感神経バランスが高くなることが示された。さらに,参与者のコミュニケーション能力やチーム志向能力が,3人でのセッションにおける心理的・生理的反応に影響を及ぼすことが示された。
  • P2-3
    林美都子 (北海道教育大学函館校)
    浅野稔也 (北海道教育大学)
    長田・長坂(2001)のシェマティックな顔図形を用いて、大学生を対象に実験を行った。目もとと口もとの表情が異なる(例えば、喜びの目もとと真顔の口もと)場合における部分表情の認知では、「目は口ほどに物を言う」という諺通りになるか検討したところ、諺とは異なり、いずれの条件でも目もとよりも口もとの表情の影響が強いことが明らかになった。今後、他の表情を用いる、目もとの面積を調整するなどの実験を行い、さらなる検討が必要である。
  • P2-20
    新井田統 (KDDI総合研究所)
    原田悦子 (筑波大学)
    ICT利用時の待ち時間の問題は主に工学分野で議論されてきた.リッカート尺度による主観的な満足度評価の結果は通信システムの設計や制御に利用されてきたが,指標の意味を十分に議論してきたとは言えない.本稿では,待ち時間に対する満足度評価の心的プロセスが,時間評価の丁度可知差異の検出に基づくとする理論モデルを提案した.評価実験結果を用いて分析したところ,異なる二つの条件で取得したデータが,提案モデルに基づき同じ傾向を示すことが明らかとなった.
  • P2-47
    青山慶 (松蔭大学コミュニケーション文化学部)
    本研究では,2名の養育者と1名の乳幼児が暮らす住居の日常場面の様子を縦断的にビデオ撮影し,家具の配置換えの変遷を抽出した。Sの移動と合わせて縦断的な分析を行った結果,養育者による家具の配置換えは,横方向への移動の広がりと,縦方向への乳幼児の移動の広がりを,水平面と垂直面の配置によって制御することとして特徴づけられることが示唆された。