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感情

  • O3-3
    中田龍三郎 (名古屋大学情報学研究科)
    久保(川合)南海子 (愛知淑徳大学心理学部)
    岡ノ谷一夫 (東京大学総合文化研究科)
    川合伸幸 (名古屋大学情報学研究科)
    赤信号および赤信号に続く黄信号で高齢者の前頭部の脳活動に左優勢の不均衡状態(怒りを構成する要素である接近の動機づけの高まりを示唆)が生じるか検討した。高齢者と若齢者を対象にドライビングシミュレータを操作して赤信号もしくは青信号のある交差点を複数通過させた。続いて黄信号のある交差点を2回通過させた。NIRSにより脳血流量を測定したところ、高齢者では赤信号だけでなく、続く1回目の黄信号で左右前側頭部に左優勢の不均衡状態が生じていた。
  • O3-4
    河端健司 (北九州市立大学マネジメント研究科2年)
    武田諭志 (北九州市立大学マネジメント研究科2年)
    川原大幸 (北九州市立大学マネジメント研究科2年)
    松田憲 (北九州市立大学マネジメント研究科教授)
    現状維持バイアスとは,現状維持できる可能性があるなら,現状を維持しようとすることである.奥田(2004)は,大学生を対象としたアンケート調査によって,二つの選択肢の中から一方を選択する決定場面において,決定が困難になるほど現状維持バイアスが生じやすいことを示した.本研究では,社会人に対して同様の決定場面を用いたアンケート調査を行い,現状維持バイアスが年齢や情動状態,ストレスの程度にどのような影響を受けるかを検討した.
  • OS05-4
    米満文哉 (九州大学大学院人間環境学府)
    佐々木恭志郎 (早稲田大学理工学術院基幹理工学部・九州大学基幹教育院・日本学術振興会特別研究員(SPD) )
    郷原皓彦 (九州大学大学院人間環境学府・日本学術振興会特別研究員(DC1) )
    山田祐樹 (九州大学基幹教育院)
    ある空間内に全く同じ顔の人物が多数存在する状況は現実では生じない。本研究は,そのような状況において人がどのような感情を抱くのか検討した。日本人と白人を対象に,6人が同じ顔 (多重重複),6人が違う顔 (非重複),または1人だけが写っている画像 (単体) について複数の印象評定を求めた。その結果,人種を問わず多重重複は単体と非重複よりも強く不気味さや不快感情を喚起した (クローン減価効果)。この現象を文脈的な分類困難性の観点から議論する。
  • OS09-1
    布山美慕 (玉川大学)
    日高昇平 (北陸先端科学技術大学院大学)
    読者の物語理解と熱中状態の関係性が近年注目されている.本論文では,物語展開の予測方法構築時の認知負荷が熱中状態と関係するとする「予測—熱中モデル」を提案する.このモデルでは,読み始めの新規予測方法構築時,予測方法の継続使用時,予測方法再構築時がそれぞれ,非熱中,安定した熱中,混乱を伴う熱中の状態に対応すると考える.モデルの提示に加えて,先行研究や著者らのこれまでの研究との関連や今後の本モデルの精緻化や実証可能性について議論を行う.
  • OS11-3
    日永田智絵 (電気通信大学)
    長井隆行 (電気通信大学)
    一般にロボットは,感情の無い存在と考えられている.しかし,ロボットが人間社会に受け入れられていくためには,相手の感情を理解・共感し,行動することが必要不可欠である.本研究では,人-ロボット間の共感コミュニケーションに関する神経学的、心理学的知見に基づく感情モデルを提案する.モデル実現の最初のステップとして,深層学習を利用し,視覚刺激による情動生成を行った.また,モデル検証として,ロボットへの実装および色に対する情動反応の検証を行った.
  • OS15-5
    寺朱美 (北陸先端科学技術大学院大学)
    安藤裕 (北陸先端科学技術大学院大学)
    藤波努 (北陸先端科学技術大学院大学)
    永井由佳里 (北陸先端科学技術大学院大学)
    視線追跡装置を利用して,好きな絵画を見る時の眼球運動を観察する実験を行った.実験はデザイン関係者と一般人を対象とし,静物画,風景画,人物画,抽象画,合計32点の画像を 7秒間ディスプレイに表示し,1000Hz/secで眼球運動を計測した.その結果,左右両目のX軸とY軸の差分(輻輳)で,デザイン関係者はY軸方向の差分の値が有意に高いことがわかった.また,左右両目のX軸方向とY軸方向の差分と画像の縦横比で相関が低いことがわかった.
  • P1-22F
    松本一樹 (東京大学大学院教育学研究科)
    Tomasz Rutkowski (BCI Lab)
    岡田猛 (東京大学大学院教育学研究科)
    本研究では、芸術鑑賞において、鑑賞者が作品の創作経験を有していることで、そうでない場合と比べどのような変化が生じるか検証する実験を行った。結果として、実験中に作品創作を経験した参加者は、そうでない参加者と比べ、作品をポジティブに評価する傾向を示した。さらにこの認知メカニズムを検討するため、同時に測定した脳波と心理指標を併せて分析したところ、作品の背後にある創作プロセスの認識が作品の印象形成に関わる重要な要素であることが示唆された。
  • P2-3
    林美都子 (北海道教育大学函館校)
    浅野稔也 (北海道教育大学)
    長田・長坂(2001)のシェマティックな顔図形を用いて、大学生を対象に実験を行った。目もとと口もとの表情が異なる(例えば、喜びの目もとと真顔の口もと)場合における部分表情の認知では、「目は口ほどに物を言う」という諺通りになるか検討したところ、諺とは異なり、いずれの条件でも目もとよりも口もとの表情の影響が強いことが明らかになった。今後、他の表情を用いる、目もとの面積を調整するなどの実験を行い、さらなる検討が必要である。
  • P2-19
    木下雄斗 (信州大学)
    島田英昭 (信州大学)
    本研究は絵画初心者の抽象画鑑賞に対する、既有知識、鑑賞方略、両者の相互作用の効果を検討した。前半、参加者は単に抽象画鑑賞を行った後、質問項目(心地よさ、不快さ、フラストレーション、不可解さ)に回答した。後半、参加者の一部は鑑賞前に作品解説を読み、既有知識を得た。別の参加者は鑑賞前に、作品の意味を鑑賞中、創造的に考えること(拡散的鑑賞方略)を教示された。実験の結果、既有知識と拡散的鑑賞方略の両方が与えられた群のみ、全項目で変化が現れた。
  • P2-29
    中村太戯留 (慶應義塾大学)
    隠喩的表現の面白さには,価値の低下(優越理論),何かが放出される感じ(エネルギー理論),そして何かが間違っている感じや新たな関係性の発見(不調和解消理論)という感覚の関与が予想された. 19名の大学生を対象に,これらの感覚を調査した.結果,何かが放出される感じと,新たな関係性の発見の主効果が認められた.従って,面白さの判断には,これらの感覚が関与する可能性が示唆された.
  • P2-34
    佐山公一 (小樽商科大学)
     目がストーリーの信ぴょう性に与える影響を調べた.信ぴょう性評定の後,話し手の性格の第一印象を評定した.分散分析の結果,目の形の主効果が認められた.性格印象の因子分析の結果,4因子が見出された.4因子に信ぴょう性を加え共分散構造分析を行った結果,知性因子が信ぴょう性に影響していた.多母集団の同時分析の結果,たれ目の人は,アーモンド形,半月の人よりも信ぴょう性を高めることが分かった.
  • P2-35
    Aziem Athira Abdullah (明治大学理工学研究科)
    中島瑞貴 (明治大学理工学研究科)
    嶋田総太郎 (明治大学理工学部)
    代理報酬とは、他者が報酬を得るのを観察したときに自分自身が報酬を得たかのように感じることである。本研究では、応援によって得られた代理報酬が他者の痛みに対する共感を促進することを皮膚電気反応を用いて調べた。その結果、応援した相手、さらには報酬をより多く受けた相手に対してより大きな共感反応が見られた。これらの結果から、他者を応援しているときに受けた代理報酬によってその他者とのが一体感が高まり、共感反応が促進される可能性が示唆された。