スケジュール順

[S1] 特別企画シンポジウム

9月15日(金) 10:30 - 12:00 会場:101講義室
    認知科学とロボティックスの未来
    浅田稔(大阪大学)
    企画:
    小島治幸(金沢大学)
    指定討論者:
    植田一博(東京大学),鈴木宏昭(青山学院大学),永井由佳里(北陸先端科学技術大学院大学)
    認知科学はこれまでも人工知能やロボット研究との関わりの中で研究を進展させてきました。たとえば,認知科学ではその創成期からパターン認識や言語処理,運動制御といった認知的諸機能の計算モデル構築の試みが盛んに行われました。しかしその後,コンピュータの高速大容量化や先端技術の進歩は認知科学のテーマや研究方法に大きな影響を与えてきました。中でも,深層学習を取り入れたニューラルネットワークの開発や,認知神経科学において蓄積された知見の導入などによって,近年の人工知能やロボティックス(ロボット学)は目覚ましく発展してきています。認知科学は,人間のみならず人工知能やロボットの認知の問題にどのように取り組み,どのように研究してゆくことになるのでしょうか。  特別企画シンポジウム「認知科学とロボティクスの未来」では,日本のロボティックスを牽引する大阪大学教授浅田稔先生にロボット工学の現在をご紹介いただくとともに,認知科学への要望や期待をお話いただきます。そして,認知科学会を代表する研究者の方々を交えて認知科学とロボット学の研究の接点や課題について議論し,双方の研究の未来や今後の方向性について考えます。


    基調講演「現代AI革命は,ロボットの認知能力をもたらすか?」

      講演者:浅田稔(大阪大学)

    深層学習に代表される現代AIの革命は,Big Dataに支えられ,画像/音声などの感覚情報処理から,言語処理に至る過程において,過去とは大いにことなる高いパフォーマンスを見せつつある.これらの量による変化が質の変化をもたらす保証はない.本講演では,ロボットの身体のポテンシャルこそが,質の課題,すなわち心的機能の発達を促すとの仮説から,認知発達ロボティクス,さらには構成的発達科学への道筋を明らかにし,身体性認知科学の将来を議論する.