総合学術辞典フォーラム
― 学問の危機と学問2.0 ―
日時  2009年5月9日(土)13:00〜17:00
会場  東京大学 本郷キャンパス 福武ホール 福武ラーニングシアター
      http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/
共催  日本認知科学会 + 大学発教育支援コンソーシアム推進機構

プログラム
  13:00〜13:40「学は何処より来たりて何処へ向かうのか?」原島 博(元東大)
  13:40〜14:10「オントロジーに基づく学術辞典の設計」橋田 浩一(産総研)
  14:10〜14:40「百科事典・専門辞典を基点とする情報アクセス」高野 明彦(NII)
  14:40〜15:10「Web時代の学術情報流通の方向性を考える」武田 英明(NII)
  15:10〜15:40「大学の知を教育現場が使える形で発信する試み」三宅 なほみ(東大)
  15:50〜17:00 総合討論

久しく理科離れが懸念されていますが、実情は理科系だけでなく学問全体の危 機のように思われます。インターネットの普及によって知識の社会的共有と共 創が爆発的に捉進されるかと思いきや、実際に生じている情報の流通は皮相的 なレベルにとどまり、体系化された深い知識にはあまり及んでいないようです。 一方では、学問の細分化が進むことにより、大きな知の体系化が起こりにくく なっているように感じられます。学術論文がますます大量に出版され、1論文 当たりの読者が減り続けているのはその兆候でしょう。

しかし、地球環境問題や少子高齢化など、ますます困難になりつつある社会的 課題を解決するためには、従来を上回る規模での科学的知識の体系化とその社 会的共有が必須と思われます。それには、研究領域のタコツボ化を防ぎ領域間 の融合を進めつつ、一般市民が学問的・体系的知識の共有・共創に参画できる ようにする必要があるのではないでしょうか。そのような意味での「知識に基 づく社会」の構築あるいは「学問2.0」の実現に貢献することは認知科学や情 報技術の重要なミッションと考えられます。

そこで、日本認知科学会では創立25周年(2008年)の記念事業の一環として「認 知科学辞典」のWeb公開を準備中であり、また情報処理学会でも創立50周年 (2010年)の記念事業の一環として、「次世代情報処理ハンドブック」の編纂を 進めています。これらを中核として、多数の学会の共同作業により、学術的な 概念をオントロジーに基づいて構造化・体系化して「総合学術辞典」を編纂し、 これを一般市民の利用に供するとともに、関連するコンテンツおよびそれらに まつわるサービスを共創しようと考えています。

2008年12月に開催した日本認知科学会の冬のシンポジウム「Web時代の学会の 役割: 総合学術辞典はいかにしてWikipediaを越えるか」 http://www.jcss.gr.jp/symposium/2008.html では、その構想に関して、技術、 科学論、教育、出版などさまざまな観点から討論しました。今回のフォーラム では、その構想の具体化を試み、さらに議論を深めたいと考えております。学 術的知識の体系化や社会的共創に興味をお持ちの方はぜひご参加下さい。

以上