本テクニカルレポートは、大阪大学において1999年12月3-5日に開催された日本認知科学会文学と認知・コンピュータ研究分科会の簾5回研究定例会in大阪・'99冬の発表者による研究論文を中心に構成されている。
第5回研究定例会in大阪'99冬は、人工知能学会ことば工学研究会(繁2種研究会)との合同で開催された。したがって、研究論文は、ことば工学研究会及び文学と認知・コンピュータ研究分科会の双方の発表者によるものを掲載している。
第1部は、一般発表による研究論文16編から成る。これらの論文は、「ことば」に対する工学的アプローチ、「文学」に対する認知科学的・情報科学的アプローチを図るもので、文章、音楽、手話、舞踊、広告、ホームページ、小説等のメディアを対象として、言語処理、ネットワーク、発想支援、コンピュータグラフィクス、ハイパーテキスト等の技術、認知、イメージ、文学、感情、多重物語、受容等の理論にもとづく、多様な観点からの示唆を与えるものである。
第2部は、「ことばと文学」というテーマによる特集(研究)論文4編から成る。これらの論文は、「ことばと文学」に対する時間概念、記憶再生、映像修辞、語りといった切り口からの視座を与えるものである。
第3部は、「文学の本質」というテーマで開催されたワークショップの発表者による研究論文7編から成る。これらの論文は、「文学」領域に対する認知科学的・情報科学的アプローチの現状、言語処理技術にもとづく歌詞創造やことば遊びのシステム、文学と工学の接点、ことばとその表現による意味創造性、ことばが文学性を持つ条件等について報告や問題提起が行われている。
第4部は、第5回研究例例会開催の経緯と概要についての記録的資料体ら成る。ことば工学研究会との合同研究会に至つた経緯、研究会の概要、テクニカルレポートの編集について記述している。
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